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目次
立原道造(萱草に寄す;暁と夕の詩;優しき歌;あひみてののちの;かろやかな翼のある風の歌;鮎の歌)
津村信夫(愛する神の歌;戸隠の絵本;紅葉狩伝説;信州雑記)
著者等紹介
立原道造[タチハラミチゾウ]
大正3年、東京に生れる。第一高等学校在学中から口語自由律短歌、小説などを試みていたのが、昭和9年に東京帝大建築科に入学したその10月、堀辰雄らによって第二次「四季」が発刊されるのに迎えられると、詩作を専らとするようになり、優美な抒情を多くソネット形式に託して初期の同誌を一方において代表した。同12年東京帝大卒業後は、設計の卓れた才能を認められるまま建築事務所に勤務するなかで、予てから土地の風光に親しんでしばしば滞在した信州追分で得た作品を主とした「萱草に寄す」「暁と夕の詩」の二詩集を同年に刊行するが、翌年、健康に恵まれなかった身体を押して出た旅の終りに病み、同14年に歿する
津村信夫[ツムラノブオ]
明治42年、兵庫県に生れる。慶大予科のとき「アララギ」の影響下に作歌を始めて萌した文学への関心が、転じて詩に向かい、室生犀星を識ってから師と仰ぎつつ、昭和7年、兄の秀夫らと創めた同人雑誌「四人」に発表の作品に示した典雅な詩情で注目された。同9年の「四季」の発刊に立原道造とともに参加し、運動の一翼を担って同誌の編集にも従うようになる間、慶大を卒業して保険会社の職に就いた翌10年に処女詩集「愛する神の歌」を刊行。同19年歿
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感想・レビュー
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あなた
2
津村信夫の遺稿「みるきい・うゑい伝説」は俺のフェイヴァリット・ベスト1。一生涯、それを変えるつもりはないし、必要もない。あまりに好きだったので、コピーして高校の頃、新潟大学構内にばらまいたことがある。でも、進学したのは三田にある福沢の銅像がある大学だった。そして、やっぱり隙をみてはいろんなとこで津村信夫の布教活動をやり、やっては、裏通りにつれていかれたりした。後悔など、ない。2009/07/14
Lieu
0
立原道造の小説を読みたくて手に取る。温厚な師匠の堀辰雄の小説が抒情的であっても、生のままの情念や不用意な言葉を剪定しつくしているので、別離を描いて淡白であるのに対し、早逝した立原道造の小説は、美しい言葉だけが選ばれていても破調があって、羽に傷を負って地上に苦悶する天使のような、ある痛ましさが感じられる。小説家の師とは違い、やはり本領は抒情詩にあったのだろう。2022/08/22