内容説明
プロレタリア文学運動の流れに沿って言及されてきた民衆像とは次元を異にして、日本の文芸における庶民の役割を独自のスタイルで明らめようとした貴重な一冊である。
目次
尾張国熱田太神宮縁記のこと並びに日本武尊楊貴妃になり給ふ伝説の研究
蓬莱島のこと
百人一首概説
天王寺未来記のこと
道成寺考
仙人記録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
12
プロレタリア文学運動の流れに沿って言及されてきた民衆像とは次元を異にして、日本の文芸における庶民の役割を独自のスタイルで明らめようとした貴重な一冊である。2014/04/05
ダイキ
2
解説に書かれているように、保田の文章にはいつも虚無感、そして悲痛が感じられる。保田は文学者としての戦争責任を問われることがあるが、彼は明治以降の近代文明に傾倒していった人々に対し、古人が生きていた神ながらの道への回帰をただただ説いていたとしか思えない。それもあくまで「理想」である。理想が完全に遂げられることはありえないことを保田は知っていた。その理想は半分も遂げられないことを知っていて、保田は「理想」を訴え続けた。それ故に彼の文章には虚無感漂い、悲痛が感じられるのであろう。2014/08/13
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