Ｇｏｏｇｌｅ Ｂｏｏｋｓ裁判資料の分析とその評価―ナショナルアーカイブはどう創られるか

松田 政行【編著】/増田 雅史【著】

商事法務（2016/11発売）

• サイズ A5判／ページ数 292p／高さ 21cm
• 商品コード 9784785724740
• NDC分類 007.5
• Cコード C3032

出版社内容情報

10年を超える全米作家組合対Google(Google Books)訴訟が、2016年4月に終結した。本書は本紛争を紛争開始から終結までを追いながら、Googleのインターナショナルアーカイブ構想の全体像から日本のアーカイブ戦略を探った歴史的な記録。

松田 政行［マツダ マサユキ］

増田 雅史［マスダ マサフミ］

内容説明

Ｇｏｏｇｌｅのインターナショナルアーカイブ構想の全体像から、日本のアーカイブ戦略をイメージする。

目次

第１章　日・米ナショナルアーカイブ戦略
第２章　Ｇｏｏｇｌｅ　Ｂｏｏｋ　Ｓｅａｒｃｈクラスアクション和解の実務的検討
第３章　Ｇｏｏｇｌｅ　Ｂｏｏｋｓ問題の最新動向および新和解案に関する解説
第４章　Ｇｏｏｇｌｅ　Ｂｏｏｋｓ和解案の不承認決定に関する解説
第５章　Ｇｏｏｇｌｅ　Ｂｏｏｋｓ訴訟においてフェアユースを認めたニューヨーク南部地区連邦地裁の判断
第６章　全米作家組合等対Ｇｏｏｇｌｅ（「Ｇｏｏｇｌｅ　Ｂｏｏｋｓ訴訟」）がついに終結―連邦最高裁が全米作家組合側の上告申立て不受理を決定
第７章　控訴審判決におけるフェアユース認容判断の解説
第８章　国立国会図書館による日本における書籍ナショナルアーカイブの構築
資料編

著者等紹介

松田政行［マツダマサユキ］
１９７２年中央大学法学部卒業。１９７６年弁護士登録（第２９期、第二東京弁護士会）。現在青山学院大学法科大学院客員教授。博士（法学）。森・濱田松本法律事務所弁護士。文化審議会著作権分科会委員（専門委員）

増田雅史［マスダマサフミ］
２００４年東京大学工学部卒業。２００７年中央大学法科大学院修了。２０１６年スタンフォード大学ロースクール修了。森・濱田松本法律事務所弁護士。カークランド＆エリス法律事務所（シカゴオフィス）客員弁護士（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[mashi]

筆者のナショナルアーカイブに関する見通しについては色々と思うところもあるけど、本書で成されたGoogle Books裁判の詳細な検討および裁判資料の翻訳・整理の記録的な価値は非常に高いと思う。たぶん今後十数年にわたってこの分野について考える際の基礎文献になるんじゃないかな。

2017/02/12

[サンチェス]

専門書。著作権に関する理解がないとちょっとよく分からない。米Googleと日本の国会図書館が「ナショナルアーカイブ」に関する法整備に関する動きを見せたことについての本。書籍の情報がGoogleに集中管理されることは、人類の叡智の独占に等しい。これは防がなければならないが、日本側がそうした問題意識を持っていたわけではなかった。日本は独自に、国会図書館の著作物電子化を許可し公共図書館に配信する仕組みづくりを行なっている。いずれ、どこに住んでいても入手でいる情報の格差に悩まされることは減りそうだ。

2017/01/11