内容説明
本書で扱っている諸事項は、独り企業再建・事業再生だけのために役立つものではない。事業一般、経営一般に関する手引書になっても当然であるはずの事項を取り上げているし、またそのようになるよう執筆の上でも心がけた。そもそも再生・再建の実務も、実業の活動の一類型である。したがって、そこで培われたリーダーシップや、セールス&マーケティング、企業組織運営技術などが、一般の経営実務、実業の現場でも役に立つことは、そもそも当然のことなのである。本書は再生・再建の諸問題の中でも企業経営に関する側面に重点を置いているが、むしろ経営者以外の方々にこそ読んでほしいという願いを持っている。執筆に当たり、簡潔明瞭に、分かりやすく書くことを心がけ、その結果、特に予備知識や経験のない方々や、ジャーナリスト、学生などの方々にも問題なく理解していただけるものと念じている。
目次
再生論議の死角
第1部 「論点整理」編(現状確認;「志」と「経営力」―二つのキーワード)
第2部 「ビルド型再生活動」の要諦(経営者と経営理念;販売なくして再建なし)
第3部 「提言」編(実務家への視点;政策提言―「世界の常識、日本の非常識」への挑戦)
「志」、「スピリット」、「運」
著者等紹介
越純一郎[コシジュンイチロウ]
1978年東京大学法学部卒業、日本興業銀行入行。延べ12年にわたるニューヨーク勤務期間を含め、インベストメント・バンキング、M&A、プライベート・エクイティ・ファイナンスなどを担当。2000年に興銀を退職してシグマ/千秋薬品グループに参加し、再建に着手。5件のM&Aや販売の全国展開などを通じて、概ね3年で再建を完了。この間、日米で、大手ベンチャーキャピタル、電力会社、ベンチャー企業の顧問・役員を歴任するとともに、米国のプライベート・エクイティをわが国に紹介する先駆者として、多数の論文・著作を発表。現在、シグマソリューションズ代表取締役、ノーザ取締役、ジャクパ取締役、EBPass会長、アヴァンティ監査役などのほか、事業再生実務家協会常務理事、医療IT関連各種業界団体役員。テレビ解説、セミナー、大学院講義など、講演・執筆多数
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