内容説明
日本人が自分の手で自分のための宇宙船をつくるための指針をやさしく解説。まず、「ふじ」構想について、そして有人宇宙飛行の歴史をたどりつつ、スペースシャトルに代表される再利用型有人宇宙輸送システムの問題点を検証し、今後、日本がどうするべきかを考えていく。
目次
第1章 日本独自の有人宇宙船構想「ふじ」
第2章 有人宇宙船ア・ラ・カルト―宇宙飛行の歴史
第3章 カプセル型宇宙船に新たな展開を―さまざまな技術で問題点を克服
第4章 スペースシャトル、その高コスト構造
第5章 ロケット・エンジンの限界―届かない完全再利用型の夢
第6章 大気中の酸素を使え―スペースプレーンは希望になるか
第7章 多段式完全再利用型の可能性について、そして結論
第8章 宇宙ステーションと「ふじ」
第9章 宇宙を巡る産業構造
第10章 オープンアーキテクチャーで産業活性化を
第11章 われらの政府と宇宙に行くための投資システム
著者等紹介
松浦晋也[マツウラシンヤ]
1962年東京都に生まれる。慶応義塾大学理工学部卒業、同大学大学院メディア・政策研究科修了。「日経エアロスペース」等の記者を経て、現在科学技術ジャーナリスト、宇宙作家クラブ会員
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MAEDA Toshiyuki まちかど読書会
20
祝!宇宙兄弟登場!!2017/11/24
あーてぃる
3
宇宙開発の歴史概論と、宇宙工学教科書のダイジェストが8割ほどを占める、宇宙開発入門書としてよく出来た本。~日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」~というサブタイトルを付けてしまっているため、一般的には荒唐無稽な夢物語かと誤解されてしまいそうでもったいない。が、これを読んで「そんな計画があったのか」と誤解される方がもっとこわい。同著者の「スペースシャトルの落日」とセットで読むと、著者の好き嫌いが非常によく分かる。 巻末の「有人宇宙開発に関する書籍」は次に読みたい宇宙本を選ぶのに便利である。2018/04/22
radish
1
日本で有人宇宙飛行をやるとしたら、という視点からの宇宙開発を解りやすく解説している。再利用型か使い捨てか、という点に関しては論理的にまとめられているが、肝心の「ふじ」自体はアイディアのみで具体性に欠けるため、ソユーズ、アポロに対して、日本固有の技術で開発出来る宇宙機という前提が理解出来なかった。感情的には理解出来るのだが。2010/09/15
かー
1
内容は○。でもまあ、「ふじ」構想だけを持ち上げすぎている感じはあった。2009/07/08
いちはじめ
1
旧宇宙開発事業団の先端ミッション研究センターの研究、使い捨てのカプセル型有人宇宙船構想について解説した本。内容は良いのだが、この構想が実現しないことへの憤りに満ちた文章は、あまり読んでいて気持ちの良いものではなかった。2003/10/26