出版社内容情報
《内容》 近年の分子生物学の輝かしい成果のもと,組換えDNA技術や細胞融合技術などが作りだされ,これらはバイオテクノロジーと呼ばれている.バイオテクノロジーは,生物学のあらゆる分野で研究を進める上に必須の手段として生まれたものであり,これまでに解き明かせなかった問題の解決や新しい問題の提起に大きく貢献してきた.また単に研究手段にとどまらず,もともと技術として開発されてきた以上,産業に応用されることは当然で,さまざまな方面へと範囲を広げている.本書は,バイオテクノロジーに関してup-to-dateなトピックスを取り上げ,紹介する. 《目次》 1 バイオテクノロジーと生命科学 1・1 バイオテクノロジーの発達 1・2 酵素の発見 1・3 遺伝子と酵素との結びつき 1・4 遺伝子ってどんな物質? 1・5 DNAの分子モデル 1・6 生命の起源に関する分子生物学2 DNAからタンパク質へ 2・1 DNAからタンパク質へ 2・2 DNAと遺伝暗号 2・3 DNAの塩基配列を決定する 2・4 化学発光と生物発光による分析 2・5 無細胞のタンパク質合成系3 遺伝情報の発現調節 3・1 遺伝子作用を調節する仕組み 3・2 真核細胞における転写の仕組み 3・3 タンパク質のリン酸化 3・4 タンパク質によるDNA配列の認識 3・5 DNA損傷と修復4 遺伝子のクローニングと同定 4・1 プラスミド 4・2 遺伝子のクローニング 4・3 クローン化DNAマーカー 4・4 DNA多型 4・5 DNAフィンガープリント法 4・6 FISHとFACSによる遺伝子座指定 4・7 計量形質の遺伝子地図5 遺伝子操作とゲノム解析 5・1 遺伝子の加工 5・2 遺伝子ターゲッティング 5・3 ヒトの進化 5・4 イネゲノムの祖先 5・5 開花期の決定6 農業の遺伝子工学 6・1 夢のパルプ材 6・2 日もちのよいトマトの商品化 6・3 組換えタンパク質による殺虫剤 6・4 植物の分子病理学7 医療の遺伝子工学 7・1 DNAによる癌の診断と治療 7・2 ヒトの遺伝的疾病素質 7・3 糖尿病の遺伝素因 7・4 ノックアウトマウス 7・5 リガーゼ連鎖反応による感染症検査 7・6 ヘモグロビンの遺伝子工学8 培養技術による増殖 8・1 微生物による発酵 8・2 糸状菌の培養 8・3 動物細胞の培養 8・4 植物細胞を培養する 8・5 植物体を大量に増殖する9 培養技術による生産と環境浄化 9・1 人工種子を合成する 9・2 細胞そのものをバイオリアクターにする 9・3 生物による燃料生産 9・4 有機廃棄物の生分解 9・5 バイオレメディエーションとは何か10 細胞バイオテクノロジー 10・1 一卵性四つ子の誕生 10・2 クローン動物の作成 10・3 キメラ動物の作出 10・4 不妊で大型魚をつくる 10・5 性をコントロールする 10・6 センダイウイルスと細胞融合 10・7 細胞融合による雑種植物11 生体高分子と受容体 11・1 コンホーメーション限定ペプチドの設計 11・2 ホルモンとその受容体 11・3 バソプレッシンとその受容体 11・4 血漿リポタンパク質 11・5 発生分化とホメオティック遺伝子 11・6 核酸系薬品としてのアプタマー 11・7 サイトカイン12 免疫バイオテクノロジー 12・1 抗体タンパク質の働き 12・2 自己抗体と自己免疫 12・3 単クローン性抗体とは何か 12・4 単クローン性抗体の利用 12・5 ヒトの抗体をつくるマウス 12・6 スーパー抗原とは何か 12・7 組換え生ワクチン 12・8 医薬品を分泌する家畜13 バイオマテリアル 13・1 器官再生用の生体材料 13・2 生分解性プラスチック 13・3 生体を模倣した機能性材料14 バイオエレクトロニクス 14・1 生体分子エレクトロニクス 14・2 バクテリオロドプシンによる受光素子 14・3 バイオセンサーとは何か15 バイオエンジニアリング 15・1 バイオプロセス工学技術 15・2 酵素エンジニアリング 15・3 バイオテクノロジー産物の単離精製 15・4 薬剤送達法とは何か16 情報処理バイオテクノロジー 16・1 記憶と学習の分子的基礎 16・2 人工ニューロンネットワーク 16・3 遺伝的アルゴリズムとは何か17 知的所有権とバイオ安全性 17・1 バイオテクノロジーと特許法 17・2 バイオ安全性と規制参考書索 引
目次
バイオテクノロジーと生命科学
DNAからタンパク質へ
遺伝情報の発現調節
遺伝子のクローニングと同定
遺伝子操作とゲノム解析
農業の遺伝子工学
医療の遺伝子工学
培養技術による増殖
培養技術による生産と環境浄化
細胞バイオテクノロジー〔ほか〕