基礎分子遺伝学・ゲノム科学

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基礎分子遺伝学・ゲノム科学

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  • サイズ B5判/ページ数 240p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784785352370
  • NDC分類 467
  • Cコード C3045

内容説明

第1部基礎編と第2部応用編を、密な相互参照で結びつける―前半と後半で関連する箇所を相互に結びやすいよう、多数の参照をカッコで示しました。多数の「側注」で、術語の意味・由来・変遷などを解説する―学術用語を「側注」の形にまとめ、本文の流れはスムースに保ちました。多彩な図表とイラストで、視覚的な理解を助ける―多彩でしかも統一のとれた図表と、感覚的になじみやすいイラストや写真を多用しました。

目次

第1部 基礎編―分子遺伝学のセントラルドグマ(遺伝学の基礎概念―トンビはタカを生まない;核酸の構造とゲノムの構成―静と動のヤヌス神;複製:DNAの生合成―生命40億年の連なり;損傷の修復と変異―過ちを改める勇気;転写:RNAの生合成―格納庫から路上ライブへ ほか)
第2部 応用編―ヒトゲノム科学への展開(発現調節(ヒトなど動物への拡張)―複雑系の重層的秩序
発生とエピジェネティクス―メッセージが作る身体
RNAの多様な働き―小粒だがピリリと辛い
動く遺伝因子とウイルス―越境するさすらいの吟遊詩人
ヒトゲノムの全体像―ジャンクな余裕が未来を拓く ほか)

著者等紹介

坂本順司[サカモトジュンシ]
1979年大阪大学理学部生物学科卒業。1984年大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了(理学博士)。1985年東海大学医学部薬理学教室助手。1989年米国アイオワ大学医学部生理学生物物理学教室研究員。1992年九州工業大学情報工学部生物化学システム工学科助教授。2006年九州工業大学情報工学部生命情報工学科教授。2008年九州工業大学大学院情報工学研究院生命情報工学研究系教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報

遺伝子研究の成果を分子遺伝学の基礎からゲノム科学の応用まで一貫した視点で解説。豊富な図表や多彩な側註など様々な工夫を施した。 本書は、遺伝子研究の成果を、分子遺伝学の基礎からゲノム科学の応用まで、一貫した視点で解説した教科書である。これらの研究全体の蓄積は膨大なため、多くの大学カリキュラムではいくつもの科目に分割されている。この分割が避けがたい原因には、地味でウェットな大腸菌の遺伝学と派手でドライなヒトゲノム学との毛色の違いという問題もあり、両者の滑らかな接続はかなり困難な課題である。しかし、ほかにも多くの科目を同時に学ぶ必要のある今どきの学生や、知的好奇心は旺盛ながら忙しい現代人には、この課題を克服した教材が必要であろう。
 そこで本書では、遺伝子研究の基礎から展開までシームレスにまとめるため、下記の3つの工夫をし、理解の助けとした。
 1)第?部 基礎編と第?部 応用編を密な相互参照で結びつける。
 前半と後半で関連する箇所を相互に結びやすいよう、多数の参照をカッコで示した。そもそも基礎から応用までを一冊に収め、単著で一貫させたことも、滑らかな接続に寄与している。
 2)多数の「側注」で術語の意味・由来・変遷などを解説する。
 歴史的事情から、遺伝学には多義的な学術用語も少なくない。また、生命科学の他領域との関連も深く、脇道にそれてでも解説すべき用語がたくさんある。それらを「側注」の形にまとめ、本文の流れはスムースに保った。
 3)多彩な図表とイラストで視覚的な理解を助ける。
 DNA分子は小さく、遺伝子概念は抽象的なため、初学者にはわかりにくい落とし穴もたくさんある。多彩でしかも統一のとれた図表と、感覚的になじみやすいイラストや写真を多用し、その問題点の克服に努めた。

第?部 基礎編 分子遺伝学のセントラルドグマ

1.遺伝学の基礎概念 ?トンビはタカを生まない?
 1・1 遺伝子は「遺伝」だけでなく「発現」にも働く
 1・2 メンデルの「遺伝子」は数十年後に再発見された
 1・3 遺伝子の物質的実体は核酸である
 1・4 生命科学は,物質 → エネルギー → 情報の順に展開した
 1・5 多くの細胞は2セットの遺伝情報をもつ
 1・6 遺伝子型と発現型は1対1対応しない
 1・7 メンデルの遺伝子モデルはメンデルの法則から逸脱する現象も扱える

2.核酸の構造とゲノムの構成 ?静と動のヤヌス神?
 2・1 核酸はヌクレオチドが重合した高分子である
 2・2 DNAは安定でRNAは活発である
 2・3 遺伝子は内部構造も多数の連なりも一次元的である
 2・4 ヒトゲノムは核ゲノムとミトコンドリアゲノムからなる
 2・5 真核生物の染色体はDNAとともに同量のタンパク質からなる

3.複製:DNAの生合成 ?生命40億年の連なり?
 3・1 DNAは半保存的に複製される
 3・2 DNAの重合反応には基質の他に鋳型とプライマーも必要である
 3・3 DNAポリメラーゼは二機能酵素である
 3・4 生体内のDNA複製には,その他の多様な酵素・タンパク質も働く
 3・5 末端複製問題は細胞の寿命を左右する

4.損傷の修復と変異 ?過ちを改める勇気?
 4・1 DNAの損傷の原因
 4・2 変異の種類
 4・3 DNA修復
 4・4 DNA組換え

5.転写:RNAの生合成 ?格納庫から路上ライブへ?
 5・1 核酸2種類の小さな化学的違いが大きな生物学的違いをもたらす
 5・2 転写の基本は複製と共通だが,素早い生成に特化している
 5・3 真核生物では,転写のしくみに細菌と5つの違いがある
 5・4 真核生物のmRNAは3種類の加工を受けて成熟する
 5・5 rRNAとtRNAは,原核生物でも転写後に加工され成熟する

6.翻訳:タンパク質の生合成 ?異なる言語の異文化体験?
 6・1 塩基配列からアミノ酸配列への翻訳は,遺伝暗号表に基づく
 6・2 tRNAは,コドンとアミノ酸を結びつけるアダプター分子である
 6・3 リボソームは,ポリペプチドを正確に合成する能動的な場である
 6・4 翻訳も開始・伸長・終結の3段階に分けられる

7.転写調節(基本を細菌で) ?デジタル制御の生命?
 7・1 発現調節の基本
 7・2 ラクトース-オペロン
 7・3 トリプトファン-オペロン
 7・4 転写調節因子の基本構造
 7・5 転写後調節

第?部 応用編 ヒトゲノム科学への展開

8.発現調節(ヒトなど動物への拡張)?複雑系の重層的秩序?
 8・1 多細胞生物の発現調節は,環境適応の他,細胞分化でも重要である
 8・2 細胞の分化は,ゲノム情報が不変のまま,発現パターンの変化で起こる
 8・3 真核生物では原核生物より転写調節のしくみが複雑である
 8・4 DNAやヒストンの化学修飾も大事な調節機構である

9.発生とエピジェネティクス ?メッセージが作る身体?
 9・1 動植物の発生は,継承と分化のバランスで進む
 9・2 細胞どうしが盛んに信号物質をやり取りして発生が進行する
 9・3 哺乳類では,初期胚の細胞の一部だけが成体になる
 9・4 動物の発生では,細胞内外の信号分子の濃度勾配でボディプランが決まる
 9・5 エピジェネティクスは次世代の細胞に記憶を伝えるしくみ
 9・6 次世代個体への継代エピジェネティクスの例も報告されている

10.RNAの多様な働き ?小粒だがピリリと辛い?
 10・1 RNAは翻訳・触媒・調節・生体防御など多様に働く
 10・2 マイクロRNAはmRNAの翻訳能と安定性を操作する
 10・3 生体防御に役立つRNA干渉は遺伝子工学の技術にも応用される
 10・4 パイRNAは生殖系列でトランスポゾンに対抗する
 10・5 長鎖非翻訳RNAはX染色体不活性化をはじめさまざまに機能する
 10・6 クリスパー/キャス系はウイルスに対する細菌の適応免疫機構である
 10・7 クリスパー/キャス系はゲノム編集の最有力手法である

11.動く遺伝因子とウイルス ?越境するさすらいの吟遊詩人?
 11・1 トランスポゾンはゲノム内を転位するDNAである
 11・2 遺伝因子の移動現象はトランスポゾン以外にもいろいろある
 11・3 ウイルスは外殻や被膜をまとって細胞間を移動する遺伝因子
 11・4 ウイルスより単純な単一物質の増殖因子もある

12.ヒトゲノムの全体像 ?ジャンクな余裕が未来を拓く?
 12・1 ヒトゲノムは24本の染色体とミトコンドリアDNAで構成される
 12・2 ヒト集団にはSNP・CNV・VNTRなどの遺伝的多型がある
 12・3 ヒトゲノムにはネアンデルタール人やデニソワ人との混交の跡がある
 12・4 チンパンジーとのゲノム比較でヒトの特徴がやっと見え始めた
 12・5 ヒトゲノムには進化的適応や文明史の特徴が刻まれている

13.ゲノムの変容と進化 ?遺伝子の冒険?
 13・1 生命の初期進化では,酵素活性を備えた自己複製体の成立が鍵となる
 13・2 ゲノムの複雑さは主に大・小規模の遺伝子重複で増す
 13・3 生物の進化は遺伝子の重複・変異・分岐・混交・選択の組み合わせで起こる
 13・4 生物の系統分類とゲノムの配列比較
 13・5 ゲノムの生物間比較により進化の要因や全体像も考察できる

14.病気の遺伝的要因 ?ゲノムで読み解く生老病死?
 14・1 遺伝病にはメンデル性・多因子性・染色体異数性の3タイプがある
 14・2 病因遺伝子の解明は宿命論を排して対処可能性を広げる
 14・3 がんはダーウィン的進化で過剰な増殖能を獲得した体細胞である
 14・4 病気のエピジェネティクス

坂本 順司[サカモト ジュンシ]
著・文・その他