出版社内容情報
ヒトゲノム情報を基にした理論的創薬である「ゲノム創薬」が様々な分野と連携しながら急速に進展している。その現状と展望を解説。ヒトゲノム情報を基にした理論的創薬である「ゲノム創薬」が、さまざまな分野と連携しながら急速に進展している。本書は、「個別化医療」から、さらには「精密医療」を見すえた「ゲノム創薬科学」の現状と展望を、各分野の専門家が分かりやすく解説した、これまでにない実践的教科書・参考書である。
1.創薬科学の新潮流 [田沼靖一]
1.1 創薬科(化)学の歴史
1.2 ゲノム創薬
1.3 システム創薬
1.4 ゲノム診断と個別化医療
1.5 ゲノム創薬とシステム生物学
2.創薬標的分子の同定 [佐藤 聡]
2.1 創薬標的分子の探索・同定
2.2 疾患ゲノム情報の解析
2.3 ゲノム医療の実現
2.4 今後の展望
3.薬物?標的分子の相互作用 [横山英志・秋本和憲]
3.1 薬物?標的分子間相互作用に働く力
3.2 酵素を標的とした薬物相互作用
3.3 受容体を標的とした薬物相互作用
4.理論的ゲノム創薬手法 [吉森篤史]
4.1 標的タンパク質による薬物の認識
4.2 タンパク質の立体構造データバンク
4.3 タンパク質の立体構造予測
4.4 タンパク質の立体構造に基づく薬物設計(SBDD)
4.5 タンパク質の立体構造に基づく化合物の探索
4.6 SBDDの実例:カスパーゼ-3の立体構造に基づく特異的阻害剤の創製
4.7 分子動力学法を用いたin silico 創薬
5.低分子医薬品の創製 [倉持幸司]
5.1 リード化合物の探索
5.2 リード化合物の分子設計
5.3 リード化合物の製造
6.バイオ医薬品の創製 [原田陽介]
6.1 バイオ医薬品とは
6.2 抗体産生のメカニズム
6.3 抗体医薬の特徴
6.4 モノクローナル抗体の重要性
6.5 Fc融合タンパク質の医薬品への応用
6.6 抗体医薬の命名法
6.7 抗体医薬品の臨床応用
7.ファーマコインフォマティクス [山西芳裕]
7.1 ビッグデータ時代の創薬
7.2 化学構造の情報解析技術
7.3 医薬品候補化合物のゲノムワイドなin silico スクリーニング
7.4 ドラッグリポジショニングによるゲノム創薬
7.5 ADMEのin silico 予測
7.6 創薬の将来展望
8.創薬とシステム生物学 [広井賀子]
8.1 システム生物学とは
8.2 モデルの設計と解析
8.3 システム生物学に基づく薬剤標的探索方法
8.4 将来の展望:システム生物学と創薬
9.薬物の体内動態 [檜垣和孝]
9.1 生体膜透過機構
9.2 吸収
9.3 分布
9.4 代謝
9.5 排泄
10.薬物の送達システム [大河原賢一]
10.1 DDSとは
10.2 コントロールドリリース(放出制御)を目的としたDDS技術
10.3 アブソープションエンハンスメント(吸収改善)を目的としたDDS技術
10.4 ターゲティング(標的指向化)を目的としたDDS技術
11.遺伝子診断と個別化医療 [齋藤義正]
11.1 がんに対する分子標的薬
11.2 抗体医薬の抗腫瘍機序と適応
11.3 分子標的低分子医薬品の作用機序と適応
11.4 がんの遺伝子診断と個別化医療
11.5 今後の展望
田沼 靖一[タヌマ セイイチ]
編集
内容説明
ヒトゲノム情報を基点とした論理的創薬「ゲノム創薬科学」の進展状況と可能性を、各分野で活躍するエキスパートがあまさず解説した、これまでにない新しい教科書・参考書。
目次
創薬科学の新潮流
創薬標的分子の探索
薬物‐標的分子の相互作用
理論的ゲノム創薬手法
低分子医薬品の創製
バイオ医薬品の創製
ファーマコインフォマティクス
創薬とシステム生物学
薬物の体内動態
薬物の送達システム〔ほか〕
著者等紹介
田沼靖一[タヌマセイイチ]
東京理科大学薬学部薬学科生化学教室教授・ゲノム創薬研究センターセンター長。薬学博士。1952年、山梨県に生まれる。東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了。専門は生化学、分子生物学。細胞の生と死の決定機構や、ゲノム創薬などに関する研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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