出版社内容情報
地球上のあらゆる生物は、すべて同じ構造をした生体膜をベースにしてつくられている。進化に果たした生体膜の役割・貢献を語る。 地球上のすべての生物をつくっている「生体膜」は、バクテリアからカビ、昆虫、植物、私たちヒトを含めた動物に至るまで、どんな生物もほとんど同じ分子構造(脂質二重層)をしています。そして、エネルギーの生産や物質の輸送、細胞の形態形成、情報の伝達など重要なポイントには必ずと言ってよいほど生体膜が深く関わっています。生体膜が今とまったく違った分子構造だったとしたら、高度な知能をもった生物に進化することなく、単純な単細胞生物のままだったかもしれません。
前半では生体膜の構造と働きについて丁寧にわかりやすく解説し、後半では原核細胞から真核細胞、多細胞生物へと進化する道筋の仮説を新たな視点で紹介して、生物進化において生体膜の果たした役割の全体像をやさしく紐解きます。
1.生物と膜:そもそも定義に含まれている
2.生物をつくる生体膜:みんな同じものを使っている
3.生体膜の構造:この構造がすべてを決めた
4.生物を動かすエネルギー:それには膜が必要だった
5.原核細胞の進化:革命前夜
6.真核生物の誕生:革命のはじまり
7.物流システムの獲得:革命の立役者
8.細胞小器官獲得の不思議:それは絶妙なタイミングだったのか?
9.多細胞生物の出現:真核細胞だけが許された進化
10.真核細胞誕生の確率:それは「奇跡」の可能性さえある
11.生命の起源との関係:「ワールド仮説」との関係
佐藤 健[サトウ ケン]
著・文・その他
内容説明
生体膜…地球上のあらゆる生物は、まったく同じ構造の生体膜でおわれている。この膜を使ってエネルギーをつくり、物質輸送を行い、情報のやりとりをするのだ。この膜は何でも良かったわけではなく、この膜でなければ知的生命の誕生は見込めなかったのである。
目次
1章 生物と膜:そもそも定義に含まれている
2章 生物をつくる生体膜:みんな同じものを使っている
3章 生体膜の構造:この構造がすべてを決めた
4章 生物を動かすエネルギー:それには膜が必要だった
5章 原核細胞の進化:革命前夜
6章 真核生物の誕生:革命のはじまり
7章 物流システムの獲得:革命の立役者
8章 細胞小器官獲得の不思議:それは絶妙なタイミングだったのか?
9章 多細胞生物の出現:真核細胞だけが許された進化
10章 真核細胞誕生の確率:それは「奇跡」の可能性さえある
11章 生命の起源との関係:「ワールド仮説」との関係
著者等紹介
佐藤健[サトウケン]
1970年、広島県生まれ。東京工業大学大学院生命理工学研究科博士課程修了。博士(理学)。東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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