出版社内容情報
生体のホメオスタシス機構の中で体液恒常性の維持機構に焦点を当てた。後半では水・電解質代謝、血圧、血糖、体温などの調節を活写。 生物には、移り変わる環境変化に対して、動的に揺れながら内部環境を生存に適した一定範囲内に保持しようとする「ホメオスタシス」の機構が働いている。
ホメオスタシスを支える情報と制御のシステムは、神経系と内分泌系である。神経系は非常に短時間で限られた対象に情報を伝えるが、内分泌系は複数の異なった作用をもつホルモンによって情報を同時に伝達したり、持続的な効果を発揮することができる。
本書は、生体のホメオスタシス機構のなかでも、体液の恒常性の維持機構に焦点を当てて解説した。
第1部では、魚類、両生類、陸生動物の各動物群の、環境への適応のしくみについて総論をまとめた。第2部では、体液調節に働く魚類の塩類細胞、脊椎動物に普遍的な腎臓、両生類の皮膚に着目して詳細に解説。第3部では、水・電解質代謝、カルシウム代謝、血圧、血糖、体温などが神経系と内分泌系の相互作用によって巧妙に調整されている様子を各論として紹介した。
本書を通して、生物がホメオスタシスのもとに“生きている”不思議さや、動物種間に見られる多様性と普遍性、そして進化の歴史を感じ取ってもらえれば幸いである。
1.序論
第1部 体液調節機構の進化
2.魚類
3.両生類
4.陸生生物
第2部 体液調節器官・組織・細胞
5.塩類細胞
6.腎臓
7.皮膚
第3部 ホメオスタシスとホルモン
8.水・電解質代謝とホルモン
9.血液中のカルシウムを調節するしくみ ?水生動物から陸上動物まで?
10.血圧調節とホルモン
11.血糖調節とホルモン ?血液中のグルコースを調節するしくみ?
12.外界の温度変化から体内の温度環境を守るしくみ ?さまざまな体温調節とホルモン?
海谷 啓之[カイヤ ヒロユキ]
編集
内山 実[ウチヤマ ミノル]
編集
内容説明
水中から陸上への進出に伴う体内環境の調節、腎臓や皮膚の働き、水・電解質代謝や血圧、血糖、体温などの調節…内分泌から見た生物はこんなに面白い!
目次
第1部 体液調節機構の進化(魚類;両生類;陸生生物)
第2部 体液調節器官・組織・細胞(塩類細胞;腎臓;皮膚)
第3部 ホメオスタシスとホルモン(水・電解質代謝とホルモン;血液中のカルシウムを調節するしくみ―水生動物から陸上動物まで;血圧調節とホルモン ほか)
著者等紹介
海谷啓之[カイヤヒロユキ]
1968年山形県に生まれる。1996年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。現在、国立循環器病研究センター研究所生化学部室長。専門は比較内分泌学
内山実[ウチヤマミノル]
1949年長野県に生まれる。1972年富山大学文理学部卒業。理学博士。富山大学名誉教授。現在、富山大学客員教授。専門は比較内分泌学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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