内容説明
本書では、「分子軌道法」の基礎にあたる部分を記述対象とする。記述に際してとくに心がけたのは、諸者諸君に「分子軌道」の概念に至る流れの全体像をつかんでもらうことを目指したところである。式の導出や細部にはあまりこだわらずに、まず一気に読み通してほしい。必ずや「分子軌道法」への取っ掛かりが得られ、個別の知識をつなぐことができるはずである。そして一通り目を通したら、こんどは式の展開を自分の手で確認しながら再読してもらいたい。「分子軌道法」のような理論体系をみずからの血肉とするためには、このプロセスなしにはありえない。
目次
第1章 分子の科学
第2章 ボルン・オッペンハイマー近似
第3章 1中心1電子系
第4章 独立電子近似
第5章 ハートリー法
第6章 ハートリー・フォック法
第7章 電子の詰まり方
第8章 基底関数とは
第9章 ハートリー・フォック・ローターン法
第10章 独立電子近似を越えて
著者等紹介
武次徹也[タケツグテツヤ]
東京大学工学部合成化学科卒、同学大学院工学系研究科修士・博士課程修了。米国アイオワ州立大学にて博士研究員、東京大学大学院工学系研究科助手を経て、現在、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科複合領域科学専攻助教授。博士(工学)
平尾公彦[ヒラオキミヒコ]
京都大学工学部燃料化学科卒、同学大学院工学研究科修士・博士課程修了。名古屋大学教養部助教授、教授を経て、現在、東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻教授。工学博士
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