内容説明
分光機器を用いて分析に、また物性研究にと広範囲の研究者が携わる場合の入門的テキストに、そしてある程度ハンドブック的にも用いることができるように重要で必要なことと思われる基礎的な事柄を選びまとめたのが本書である。内容は大学での分光学と光変換工学および大学院修士課程の分光学特論で何年も講義してきたことを基本にした。半導体のバンド構造等に関連するテーマに重点がおかれているが、これは多くの章で共通のテーマとして関連しているからでもあり、また光エレクトロニクス分野との関連性や、固体の典型的な研究対象としての重要性を考慮してのことである。教科書的な役割を考え、できるだけ基礎的な事柄から順々に説明するよう努めた。本書では式が多いが、これは読者が飛躍なく自分でも求めてみられるようにとの配慮からである。また、読者の興味を喚起しようと、いくつかの分野では多少上級レベルのテーマもとり入れてある。
目次
1 固体の光学定数
2 誘電率の分散理論
3 固体中の光遷移過程
4 固体の光散乱
5 格子振動
6 分光器機の基礎