出版社内容情報
本書では、解析力学を初めて学ぶ理工系の学生の方たちを対象に、できるだけ丁寧に解説するように心掛けました。基礎教育レベルの力学で学んだ「ニュートンの運動方程式」では、問題を記述する変数や座標系の選び方に応じて運動方程式の形が異なるため、導出に苦労したのではないかと思います。しかし解析力学では、どのような座標系でも簡単に導出できる魔法のような運動方程式である、「ラグランジュの運動方程式」が登場します。
適当な座標さえ選べば、後は全く「機械的に」計算を進めることができる、この魔法の式を与えるのが「ラグランジュ形式」というもので、魅力的な解析力学の世界に入る扉に刻まれたイコンと言ってもよいでしょう。
そして、これに続いて学ぶラグランジュ形式を土台にした「ハミルトン形式」、「ハミルトンの運動方程式」が、より高度な概念や応用への道を拓いてくれることになります。ぜひ本書で、解析力学の魅力を堪能していただければと思います。
【目次】
1.解析力学を学ぶ前に
2.ラグランジュ形式
3.変分法
4.束縛系とラグランジュの未定乗数法
5.時空の対称性と物理量の保存則
6.ハミルトン形式
7.正準変換
8.位相空間と不変量
9.ハミルトン‐ヤコビの理論
10. 解析力学の応用ア・ラ・カルト