内容説明
本書では工学系の学生向け教科書として、主に2つのことを目指した。まず、前半はできるだけやさしい説明に努め、量子力学が嫌いにならないように、少しでも興味をもってもらえるように考えた。たとえば、理解に必要となる数学は本書の中で簡単に復習し、数学の理解不足が量子力学嫌いに結びつかないようにした。つぎに後半には、実際に役立てるために必要となる高度な内容を盛り込んだが、数式の変形はできるだけ省略せずに、自分がノートで式変形するように書いた。これは勉強の途中で挫折したとしても、量子力学が必要になったときに読み返して自習できるようにと考えたからである。
目次
波でもあるし粒子でもある量子力学的在存
粒子の状態を表すにはどうすればよいか
物理量はどのように表されるか
箱の中に閉じ込められた粒子
同種粒子は区別できない
物理量を表す演算子
角運動量とスピン
量子力学は物理量の値を決められない
結晶の中の粒子に対する簡単なモデル
解析力学の方法
水素原子の問題
量子力学の近似解法
散乱の問題
行列力学の基礎
さらに奥深く量子力学を学ぶために
著者等紹介
椎木一夫[シイキカズオ]
1947年東京都出身。慶応義塾大学工学部卒業。同大学工学研究科修士課程修了。日立製作所中央研究所主任研究員を経て、現在、慶大教授(理工学部物理情報工学科)。工学博士
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