内容説明
量子力学を古典力学に続くものとして、考え方の基礎的なところをはっきりさせ、初めて学ぶ人々が、ともすればいだくような疑問にくわしく答えられるように心掛けて書かれた教科・参考書。
目次
1. 光と物質の波動性と粒子性
2. 不確定性関係
3. 重ね合せの原理
4. 調和振動子
5. 自由粒子の運動
6. 井戸型ポテンシャルの問題
7. フーリエ級数とフーリエ積分
8. 一般的基礎
9. 演算子の交換可能性と交換不可能性
10. 位置演算子の固有関数と運動量演算子の固有関数
11. 一次元の衝突の問題―トンネル効果
12. 中心力場内の粒子の量子状態
13. 角運動量
14. 水素類似原子
15. 時間を含まない場合の摂動論
16. 時間を含む摂動―選択規則
17. スピン
18. 多粒子系
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
108
古い本で最近の成果などは収められていないのですが、この手の本にしては文科系の私にとっても比較的わかりやすい気がしました。後半はかなり数式があるのですがじっくり読んでいくとわかるような感じです。初心者にも分かるような説明です。朝永さんの量子力学の二冊目にチャレンジしようかという気が出てきました。2017/03/27
quolc
3
原島先生の著作らしく、大変に平易に書かれており計算過程もほとんどスキップされていないので、初学者が自習に使うには最適な量子力学のテキスト。初等レベルの標準的内容で、水素類似原子の電子波動関数・簡単な時間を含む摂動論(電磁場の古典近似下での誘導放出)・スピンと排他則などが含まれる。ヒルベルト空間やブラケット表示の扱いは非常に限定的で、基本的に位置表示の波動関数だけを用いて記述されている。2016/03/29
hayataka
2
量子力学に関する書物はいくつか読んだが、この本の解説が最も平易に感じた。数学の展開も非常に丁寧に解説している印象。今にも量子力学で躓きそうな人は、躓く前にこの本をチェックしましょう。
コウヘイ
0
量子の復習のために読み直した。トンネル効果あたりからわかっていないので、今後しっかりと量子力学を勉強したい。2017/08/27
tanipo
0
1986年改訂版。計算を省略しないでていねい。難しい厳密な計算は小出を参照となっている。 難易度(1-5):☆☆2020/08/30