内容説明
売り手よし、買い手よし、世間よし。三方よしの“世間”があらためて問われている。中小企業に半世紀、92歳(男性)初のライフワーク出版。在野一筋の卒寿者が説く、珠玉の生き方・学び方。生産力、情報、学びの歴史的地平、技術、競争、市場、消費のあり方を提示する。「働きつつ学び研究する」楽しみとノウハウを語る。
目次
序章 生産力・情報・地域・学びの歴史的地平―中小企業に働く視点から捉え直す
第1部 生産力の発展と技術、市場―人類史的まなざし(生産力の「暴走」と制御―生命の再生産としての生産力の視座;生産力への人類史的まなざし;生産力の発展と技術、市場)
第2部 情報化社会における競争と感性価値(「競争」と競い合い;情報化の進展と「競争」の変容;商品の機能価値と感性価値)
第3部 消費社会における地域と中小企業(生産力発展の基盤としての地域―国家の成立から振り返る;地域と中小企業―中小企業発展の条件;重層消費社会と中小企業)
終章 「学習」から「学び」「研究」へのシフトと挑戦―わが生涯にみる労働・学習・研究のスタイルと転換点
付記 未来のために過去を振り返る―平和共存と戦争
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
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いの一番に、事務局から献本いただいた。高校生にも本書の凄さを、今年最後の授業にでも伝えておきたい。90代になって、本を出版すること自体、私には想像を絶する。また、90代まで生き延びることすら、私は想像できない。本書は読みやすい文体ゆえ、すべての人におすすめできる。106頁には、池上惇先生の「人間発達の経済学」に著者が出会って、中小企業の経営者として共感し、働きつつ学ぶ流儀を獲得できたことがわかる。186頁~の回顧の箇所は、92歳の著者だからこそ、書くことができた内容。生産の力量をもつ人間の凄さと悍ましさ。2024/12/15