内容説明
社会が変われば「障害」の意味も変わる。福祉分野では対象者を「保護」と呼んでいたが、その後その関係を「支援」というように改めてきた。そして今、障害学では「社会モデル」「人権モデル」という認識に至っている。しかし私はもっと本質的な視点から問いたい。「社会」とは、「時代」とは一体如何なるものなのか、…それが障害者を、人間を、規定すると考えるからである。だから「社会変革」にまで、その実践を広げる必要があろう。単に障害者諸政策だけに限定しない。それが本書の要と考える。―本書「まえがき」から。
目次
1 運動の歩み、私の関わり(十代後半からの私の政治社会運動;障害者運動の歩み)
2 津久井やまゆり園事件(津久井やまゆり園事件の真相に迫る;植松聖の歪んだ正義感と優生思想)
3 コモン社会とその展望(地域から「コモン」社会のネットワークづくりへ;障害者と『資本論』―労働力商品化を止揚したコモン社会への展望)
4 障害者の政治参加(共生・共育・共政の二一世紀に向けて;盲導犬と共に活動したある視覚障害者議員の誕生から引退まで;二〇二三年統一地方選で全国初精神障害当事者議員誕生;重度障害者にとって就労は「一番遠い権利」;有権者は障害者議員の夢を見るか)
5 寄稿 精神科病院・精神医療について思う事 堀合悠一郎(認定非営利活動法人さざなみ会理事長)