内容説明
3.11「東京電力福島第一原発事故」の発生以降、現代世界において、環境破壊の経済システム=グローバリズムを止揚することは、ますます緊急の課題となっている。「脱成長」の思想と、マルクス経済学の価値論と共同体論に学びつつ、グローバリズムを“緑の地域主義”で分離する戦略を提示する。革命的農業協同組合戦略は可能か?
目次
序章 フクシマ三・一一事態と「赤と緑の大合流」―二〇一一年震災以後の生き方を教えるいいだももと廣松渉の反原発論考
第1章 人間生態系の破壊としての原発事故―『成長の限界』の限界
第2章 福島原発のアルケオロジー―原発の諸問題と「汚染者負担の原則」をめぐって
第3章 グローバリゼーションと緑の地域主義―ラトゥーシュ“脱成長”論の価値論的解明
第4章 〇八年恐慌と共同体主義の復権―資本主義景気循環と労働者の生産自治
第5章 「労働力の商品化」をめぐって―いいだももによる梅本・宇野論争の分析から
第6章 ロシア農耕共同体と世界資本主義
終章 「価値法則の廃絶(コミュニズム)」とエコロジズム―本書論述のスタンスについて
著者等紹介
渋谷要[シブヤカナメ]
1955年京都生まれ。社会思想史研究。季刊『クライシス』(1980年代)、季刊『理論戦線』『理戦』(1990~2000年代)に多数の論文を発表した。環境派マルクス主義者。エントロピー学会会員。哲学は廣松哲学、経済学は宇野経済学に学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。