内容説明
哲学のルネサンスへ。11人の哲学研究者による哲学の古典解読と現代的課題の探究。
目次
第1部 哲学の古典から読む(人類の将来と歴史認識―マルクス・エンゲルスの思想に関連して;フランス革命についてのカントの見解―バーク、ペイン、ゲンツとの比較をつうじて;ニーチェの歴史観における人間の位置づけ;ハンナ・アーレントの技術批判―自然・世界・人間;自然の諸相―前期ハイデガーにおける自然についての議論 ほか)
第2部 哲学の現代的課題(環境倫理学に見る人間と動物の関係―現代文明の哲学的考察のために;Self as the In(ter)dependent―世界とつながりあう、かけがえのない私
無神論の現代的意義―デネット『呪文を解く』に見る宗教の進化論的解明と「新無神論」
業縁を生きる―親鸞思想の「近代性」再審
現代日本におけるオカルト・疑似科学の動向と問題点)
著者等紹介
西田照見[ニシダテルミ]
立正大学名誉教授。1930年生まれ。法政大学大学院修了(政治学修士)
田上孝一[タガミコウイチ]
立正大学非常勤講師。1967年生まれ。立正大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。論文博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マウンテンゴリラ
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現代文明の課題を歴史、技術、環境、宗教といった視点から考察した書と言えるだろう。その観点から、本書を全体的に眺め直したとき、カントのフランス革命に関する評価やアーレントの技術論、フロムの自由論等、歴史や技術に関する論考には深みがあった。個々の論考には難解な面もあったが、人間が不完全な存在である以上、固定観念に縛られず、思考し続けることのみが唯一の生存保証であると言うこと教えられたような気がする。一方、環境・宗教に関するディープエコロジーや無神論についてはやや独断的という印象を持った。2014/04/05