内容説明
大学当局が教授に無断で講義を録音し、告発した教授を解雇した明治学院大学授業盗聴事件。「日本の大学界の病弊を象徴する大事件」と呼ばれたこの事件をきっかけに、編者は大学における学問・教育・表現の自由について関係者とともに問い続けてきた。本書は、事件の発生から東京地裁による解雇無効判決を経て、和解にいたるまでの事件の全貌を明らかにする。日本の大学が直面する問題を取り上げる論集「学問の自由」シリーズの第五弾。
目次
序章 明治学院大学“授業盗聴”事件とは
第1章 授業の盗聴と教科書の検閲―教授側の主張
第2章 組織を守るための秘密録音―大学側の主張
第3章 無断録音を謝罪して和解へ―裁判所の判断
第4章 教員解雇事件と職員解雇事件―二つの明治学院大学事件
第5章 「学問の自由」の侵害―新聞報道から
第6章 明治学院大学の「犯罪」―論説記事から
第7章 大学の危機と人権侵害―学術書籍から
終章 紛争終結ではなく真相究明を―裁判経験から
著者等紹介
寄川条路[ヨリカワジョウジ]
1961年生。ボーフム大学大学院を修了、哲学博士。愛知大学教授、明治学院大学教授などを歴任。専門は思想文化論。日本倫理学会和辻賞、日本随筆家協会賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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