目次
平等とは何か
第1部 平等の思想史(アリストテレスの平等論;ルソーの平等論;スミスの平等論―スミスは平等主義者か;カントの平等論;J.S.ミルの平等論―富の分配と貧困をめぐって ほか)
第2部 現代社会と平等(ジェンダーと平等;健康と平等―健康格差の不当さについて考える;障害と平等―障害者のシティズンシップはいかに否定されてきたか、いかに正当化しうるか;動物と平等;情報と平等―情報の平等を推進するものと阻むもの インターネットと資本の論理 ほか)
著者等紹介
新村聡[ニイムラサトシ]
1953年東京生まれ。1982年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。1996年博士(経済学)(東京大学)。現在、岡山大学社会文化科学研究科特命教授経済学史専攻
田上孝一[タガミコウイチ]
1967年東京生まれ。1989年法政大学文学部哲学科卒業。1991年立正大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程修了。2000年博士(文学)(立正大学)。現在、立正大学非常勤講師・立正大学人文科学研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田氏
20
先日から読書メモをEvernoteでとるようにしたのだが、今回のメモが21,400字にのぼったのは、自分の論点整理と要約の下手さのみが原因ではないはずだ、うん。そう信じるのを自分に許せる程度には、みっちり詰まった論文集。タイトルどおり入門者向けなので、ハイデガー語ほど解読に難儀することもない…章にもよるけれど。前半はアリストテレスからセンに至るまでの平等思想史、後半は現代のさまざまな平等問題の考察。読み通せば少なくとも、翌日から平等・公平という言葉の使い方がちょっと丁寧にはなる。これで約3千円はお値打ち。2021/05/27
すずき
3
良くも悪くも、「全部通読しよう」という気で読む類の論文集ではないので自分の興味に合わせて読みたい章を読むものかなと思う。分析系の政治哲学における平等論の展開を詳しめに追いたいです、という人のための本ではないので読む目的次第(比較的、類書より思想史の方に厚めなのが特徴)。ひとまず興味のある章から見たが、質も章によってまちまちで動物倫理、税とかは正直期待外れだった(引いてる文献が少ない割に不必要な引用が多いし明らかにカバー範囲が狭い)。ロールズ、運平等論、デモクラシー、カントあたりの章は比較的よいと思う。2021/01/25
Go Extreme
2
平等とは何か:平等と分配的正義 古代思想・近代思想における平等と分配的正義 平等の思想史・アリストテレスの平等論:市民と市民間の政治的関係 配分的正義 ポリスと幸福 ルソー:人間不平等起源論 社会契約論 エミール スミスの平等論 :道徳感情論 国富論 カント:人格と尊厳 人間としての平等 国家における平等と不平等 J.S.ミル:富の分配と貧困 理想的な私有財産制 将来性大の可能性 マルクス:唯物史観 ピグー:平等原理の正当化 ケインズのニュー・リベラリズム ロールズ:最高度の平等 セン:社会的選択理論2021/03/18