目次
1 思考法の文体(社会学論文のエスノメソドロジー―学術論文をどう読みほどくか;世界を「捉える」二つの回路―「ものごと」と「できごと」;社会理解のための「合理」と「背理」―網野善彦『無縁・公界・楽』を最初の手がかりに;「ハレ・ケ」とは何か;摩天楼の生態学―レム・コールハース『錯乱のニューヨーク』読解の試み)
2 思考法の原点(書評『巡礼の文化人類学的研究 四国遍路の接待文化』;「仏教と民俗」あるいは「真宗と民俗」という問い方;「民間信仰」は実在したか;民俗宗教論における“信仰”の発見―シャマニズム研究が果たしたもう一つの役割;「私」とは何か―ある民俗学者による考察)
著者等紹介
真野俊和[シンノトシカズ]
1944年東京都出身。1974年東京教育大学大学院文学研究科修士課程(民俗学専攻)修了。元上越教育大学・筑波大学教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
4
民族学者が人文学の思考法について、専門の民俗学にとらわれず多方面の論文や書物を題材に論考している。国立大学から文系を排除しようとする現政権の暴挙に一石を投じるためにも本書のような取り組みは必要だ。学術論文をどう読み解くか。学術的な批評とは著作を読むこと自体を目的とした行為。書くことに関しては教師が教えられるが、読むことに関しては誰も教えない。授業でも読むこと自体より書かれた内容についての解説が主となる。俗に書評は八割ほめて二割けなせと言われる。学術論文に関しては、研究者の思考方法を探り当てる試みが重要だ。2016/03/01