内容説明
ドゥシコ・タディチは、ボスニアの田舎町コザラツで、日本の格闘技の指導者をしつつ、「NIPON」と言う喫茶バーを営む平凡な一市民であった。そんな人物が、一九九〇年代に展開された旧ユーゴスラヴィア多民族戦争の戦犯第一号にされ、一四年間獄中生活を過ごした。釈放後一書をものにし、極東の一日本人に送付した。こうして岩田昌征による本書の翻訳とハーグ国際法廷のミステリー解明の作業が開始された。
目次
ハーグ法廷の誕生
虚偽の証言者達
裏切りの攻撃
戦争へ
和平ミッション
矢は放たれた
危険な噂
セルビア人共和国の土台
最初の浄化
セルビア人軍の戦車〔ほか〕
著者等紹介
タディチ,ドゥシコ[タディチ,ドゥシコ] [Tadi´c,Dusko]
1995年10月1日旧ユーゴスラヴィア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(BiH)のコザラツに生る。1993年ドイツに避難するまで、コザラツで喫茶バー店主、空手師範、コザラツ居住共同体勤務、警察官。1994年ドイツのミュンヘンにて逮捕さる。1995年オランダ・ハーグのICTYへ移管。1996年ハーグ国際法廷裁判開始。1997年有罪確定刑期20年。2008年出所。BiHへ帰国せず、セルビアへ移る
岩田昌征[イワタマサユキ]
昭和13年7月2日東京都世田谷区に生る。東京大学文学部西洋史学科学士、一橋大学社会学研究科修士、経済学博士(一橋大学)。アジア経済研究所研究員、北海道大学スラブ研究センター教授、千葉大学法経学部・社会文化科学研究科教授、東京国際大学経済学部・経済学研究科教授。現在、年金市隠、千葉大学名誉教授、セルビア科学芸術アカデミー外国人会員、合澤清主宰現代史研究会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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