内容説明
イスラムの問題をフランスに住む若いルブー(アラブ系在仏二世)の女性の目を通して描いているこの証言の書が浮かび上がらせるものは、差別と分断に苦しむ「もう一つのフランス」である。そして、フランス社会とフランスのイスラム社会との間にできてしまった深い溝を前に、ルーブナさんは宗教、宗派や国籍、人種の異なる人々が交流する「社会的混成を勝ち取ろう」、「豊かで力に満ちた混成社会を共に生きよう」と呼びかける。それは「在仏」のさまざまな問題を進んで引き受けようとする若いフランス人女性の「もう一つのいま」でもある。
目次
1 前へ進むために
2 これからは、決してうつむかない
3 人生は階段だよ
4 誰も転ばないように守られてはいない
5 うわさ
6 発言すれば、すっきりする
7 メディアを前に、声が出ない…
8 自由、友愛
9 行進しよう
10 愛のない街区はやりきれない
著者等紹介
メリアンヌ,ルーブナ[メリアンヌ,ルーブナ][Meliane,Loubna]
1978年、フランス・ディジョン生まれ。モロッコ人移民を両親に持つ。高校生運動のリーダーとして活躍し、「反乱する高校生の姉貴」とよばれる。反人種差別組織『SOSラシスム(SOS「人種差別」)』副会長、『売女でもなく、忍従の女でもなく』広報担当を務める
堀田一陽[ホッタイチヨウ]
1947年、愛知県生まれ。翻訳家。三重大学農学部農業機械学科卒。ミニコミ紙『銀杏(いちょう)通信』(Courrier de GINKGO)主宰
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