内容説明
一度ひとの心に植えつけられた、自分より劣った人がいるという意識は抜きがたい―。なぜこうまでして生きねばならないか?朝鮮半島南端の済州島と在日社会の戦時戦後を舞台に、放浪の巫女ミンスッから生まれた三姉妹の数奇な人生。ウォルミ、ウォルゲ、ウォリの娘たちに重くのしかかる暗い生活。その根っこにある差別が、三姉妹の自我を押しつぶしていく様を観念的に描く。済州島の習俗や、日本の植民地統治、開放、済州島四・三事件、朝鮮戦争といった時代との結びつきも織り交ぜた小説。
著者等紹介
金由汀[キムユジョン]
1950年生まれ。小説家。受賞作「むらさめ」(第28回部落解放文学賞入選 2002年)、「ぶどう」(第23回朝日新聞らいらっく文学賞入賞 2002年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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