内容説明
私たちは今、多様性を認め合い尊重しようとする社会に生きている。その流れを押し戻し分断と対立をもたらそうとするヘイト。近年それが激しさを増し、手口も巧妙・多岐にわたる。この時に、川崎市で「差別のない人権尊重のまちづくり条例」が制定され、2020年7月1日に施行された。こののち、ヘイトスピーチは犯罪となり刑事罰が適用されることになった。被害当事者は「川崎の宝」「日本の宝」と条例に希望を託す。画期的と言えるその条例は、いかにして実現したのか?さまざまな形で行われるヘイトの実態と、それを行う者の心理・対処法についての講演報告をあわせて掲載。
目次
第1講 川崎市、差別根絶条例を生み出した市民力(石橋学 神奈川新聞記者)(ヘイトに対する刑事罰適用条例が施行;なぜ川崎市で実現できたか;被害当事者の訴えと体を張る市民の行動;動き出した刑事罰適用条例;施行後も続くヘイトとのたたかい;朝鮮学校差別は「公」によるヘイトスピーチ)
第2講 韓国ヘイトの心理と対処法(香山リカ 精神科医)(なぜ関心を持ち声を上げるか;こうした事態はなぜ起きる?;ネット世界の危険な特性;やっぱりゼロ・トレランス ヘイト対処の原則;忘れてはならない、この瞬間にも生まれる被害者)
資料
著者等紹介
石橋学[イシバシガク]
1971年東京生まれ。早稲田大学卒。1994年に神奈川新聞社に入社し報道部、運動部などを経て2018年から川崎総局編集委員。長期連載「時代の正体」取材班
香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。精神科医。東京医科大学卒。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を生かして、現代人の心の問題のほか、政治・社会批評、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。専門は精神病理学。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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