内容説明
世情を風刺した「オッペケペ節」で知られる川上音二郎(一八六四~一九一一)は、「日本近代演劇の祖」と位置づけることができる。新聞小説の舞台化、世界巡業、西洋風の劇場の建設など多くの演劇的冒険を試みた。本書は内外の新資料を駆使して、女優・貞奴(一八七一~一九四六)とともに歩んだ川上音二郎一座の舞台を詳細に追跡し、二人の波乱に充ちた人生をも赤裸々にする。それは日本近代演劇史研究の画期を開くであろう。
目次
第1章 川上音二郎の登場(“東の京”の出現―徳川さんから天皇さんへ;音二郎、登場する(明治一六年) ほか)
第2章 中村座の大成功・巴里・日清戦争(中村座公演一八九一年六月;中村座の二の替り・三の替り ほか)
第3章 文芸作品の上演と川上座(市村座初春興行一八九五年;歌舞伎座初登場 ほか)
終章 「金色夜叉」初演から海外への旅立ち(「金色夜叉」;初演から再演へ ほか)
著者等紹介
井上理恵[イノウエヨシエ]
近現代演劇専攻。東京生れ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。桐朋学園芸術短期大学特任教授。『近代演劇の扉をあける』(第32回日本演劇学会河竹賞受賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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