内容説明
かつて「文学」は、どこか特定の国家の名を冠して呼ばれ、理解されてきた。「日本文学」という枠の外側に身を置いて、そこからあらためて「日本語」を考えることはできないだろうか。作家・金石範を囲み、「日本語文学」「ことばの呪縛」「植民地」「翻訳と身体」などをめぐって交わされた対話の記録。
目次
第1部 文学的想像力と普遍性(文学的想像力の空間;植民地支配の余波;日本文学の「優位性」という感覚 ほか)
第2部 シンポジウム・もうひとつの日本語(「ことばの呪縛」と闘う―翻訳、芝居、そして文学;いかんともしがたい植民地の経験―森崎和江の日本語;菊池寛の朝鮮 ほか)
解説 非場所の日本語―朝鮮・台湾・金石範の済州(『客人』―朝鮮戦争の記憶;『幌馬車の歌』―台湾五〇年代左翼粛清の記憶;金石範の日本語―四・三事件の記憶)
著者等紹介
金石範[キムソクボム]
1925年大阪生まれ。戦中、済州島で暮らす。関西大学専門部経済学科、京都大学文学部美学科卒。1957年、『文芸首都』に「看守朴書房」「鴉の死」を発表
崔真碩[チェジンソク]
1973年ソウル生まれ。翻訳者・役者・文学者。青山学院大学非常勤講師。テント芝居「野戦之月海筆子」の役者
佐藤泉[サトウイズミ]
1963年足利生まれ。青山学院大学文学部教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了
片山宏行[カタヤマヒロユキ]
1955年、北海道生まれ。青山学院大学文学部教授
李静和[リジョンファ]
韓国済州島生まれ。1988年来日。成蹊大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃっと
mitsuya