内容説明
田沢稲舟は樋口一葉と同時代に生きて、希有と美貌と才稟にめぐまれ、文学の上でも耽美妖艶の花を大輪に咲かせる閨秀として期待されながら、あたら23歳の若さで散った。同郷の詩人・作家である著者は、この薄命の女人を明治開化期の混迷の闇から照らし出し、犀利な批評眼と明晰な表現で解明した。
目次
内川の流れ
稲舟誕生
肌を透く血の色
絵心・友
娘盛り
硯友社の周辺
たぐりあう糸
出奔
医学修業
放浪〔ほか〕
著者等紹介
伊東聖子[イトウセイコ]
山形県生まれ。東京都武蔵野市在住。作家・俳人・歌人・文芸評論家・映像作家。キリスト教神学を専攻。牧野紀之に師事しヘーゲルを探究。小説や詩で山形新聞社賞を受賞。『女と男の時空』(全13巻)の編者としてフランス政府に招待表彰される。「角川短歌賞」に20句入選
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