内容説明
島崎藤村が『夜明け前』を「中央公論」に連載を始めたのは、世界大恐慌が勃発した1929年の4月。同年5月に小林多喜二の『蟹工船』が「戦旗」に発表される。戦争とファシズムの跫音が聞こえて来た。時代状況につるはしを打ち込んだ孤絶の島崎藤村。
目次
1 篤胤の宇宙(野垂れ死にできる思想;篤胤を盾として)
2 幕末の輝き(歴史を透視する眼;師たる存在の重み)
3 草莽たちへのレクイエム(虐殺された志;相良総三への共鳴和音)
4 藤村とパリ・コミューン(藤村のブラックホール;ゾラとモーパッサン ほか)
著者等紹介
梅本浩志[ウメモトヒロシ]
1936年滋賀県大津市生まれ。1961年京都大学文学部仏文科卒業。在学中「学園評論」を復刊、編集長。同年時事通信に入社。記者、編集委員。1996年退社。時事通信社在社中には、同社での業務とは別に、海外ルポを中心とする独自の取材活動を展開。現在フリー・ライター
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