目次
第1章 ホルクハイマーの「経験」(青年ホルクハイマーの「経験」;大学社会の「経験」;「経験」という哲学的プロブレマティーク)
第2章 ホルクハイマーの哲学修業期―現象学から唯物論へ(現象学への依拠;現象学の批判へ;唯物論の受容)
第3章 ホルクハイマーの社会の理論と知識社会学(ホルクハイマーの「唯物論」;社会の理論としてのイデオロギー論;非完結的弁証法)
第4章 ホルクハイマーの社会研究と初期ドイツ社会学(ホルクハイマーと社会研究所;社会学と社会研究;ホルクハイマーと社会研究所の「経験的研究」―『権威と家族』(1936))
著者等紹介
楠秀樹[クスノキヒデキ]
1970年生まれ。2004年、東洋大学大学院社会学研究科社会学専攻博士後期課程修了。学位は「博士(社会学)」。現在は東京理科大学、神奈川工科大学、神奈川大学の非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
3
「ホルクハイマーは、「生」をカント的悟性と矛盾するものとして議論するために、師のコルネリウスはもちろん、現象学、ベルグソン哲学、ゲシュタルト心理学…自然科学の成果に言及してきた。そこで、ホルクハイマーの見るカント哲学に対するヘーゲル哲学の現代的意味とは、「形而上学」という問題点にある。…ヘーゲルによるカント批判は、そのカントによる「理性的人格の統一」も形而上学的であることを暴き出した。…ホルクハイマーのヘーゲル解釈によれば、カント哲学の限界は、「経験」における所与性を主観的限界としていたことにある」2025/01/14