内容説明
夫婦別姓を中心に民法改正論議がなされているが、戸籍それ自体が問われねばならない。「家制度」のシンボルとして部落差別・外国人差別・婚外子差別などを生み出す戸籍制度解体のための連続講座。
目次
象徴天皇制にとって戸籍とは何か
戸籍制度と在日朝鮮人
戸籍制度と部落差別
戸籍制度と女性差別・婚外子差別
家族・戸籍・障害者
「差別システム」としての戸籍
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
14
戸籍は、個人を個人として登録するものではないし、また住所を登録するものでもない。戸籍は、身分関係を利用しながら、実は身分関係を証明しているわけでもない。それでは何かというと、戸籍制度とは、身分関係登録を装った所属組織登録だといえる。何の所属組織登録かというと、天皇の「臣民」としての所属を表わしている。また戸籍制度は、日本人一人ひとりが個人の資格、人格として「臣民」という枠に組み込まれているわけではなく、細分化組織に組み込まれている。その組織が「家」である。ここで人は「家」の一員として登録され、管理される。2017/08/19
おとなり
0
この本で主張されている戸籍の問題はよくわかりました。ただサッパリしていない攻撃的な反体制思想は共感できません。特に三番目の先生は「昔の日本人には名字がなかった」と言ったり(実際には村の人も苗字を名乗っていたわけですが)、脇が非常に甘いんじゃないでしょうか。主張をメリットに絞って語らないあたり、認知度の低さを納得してしまいます。2012/02/13