出版社内容情報
本特集では精神科医の視点から映画をどうとらえるかに焦点を当てている。
映画に描かれたトラウマや心の病、監督論、俳優論、異文化論、家族論、映画について
患者と交わした会話、映画を用いたセラピー、個人的な体験など話題は尽きない。
とくにテーマを絞らず、個々の筆者にそれぞれの切り口で映画を語っていただいた。
【目次】
■座談会/映画にこめる精神科医の想い(小俣和一郎/源田圭子/林 直樹/高橋祥友)
■映画に描かれたこころの葛藤
・喪の仕事―ナンニ・モレッティ監督『息子の部屋』 (松下正明)
・精神科医の観た戦争映画―PTSDを描いた作品を中心に (野村総一郎)
■家族
・映画にみる家族のかたち (岡本百合)
・父娘の葛藤 (高橋祥友)
■映画へのさまざまな想い
・昭和の風景のなかで (源田圭子)
・映画のまなざし (武南克子)
・「ベルリン・天使の詩」をめぐって (大嶋明彦)
・精神科医と映画―個人的鑑賞体験小誌 (吉川麻衣子)
・シリーズ映画のかっこよくないヒーローたち (和田秀樹)
■病蹟学的考察:人物論、俳優論、監督論
・ヒトラーの精神病理―映画『ヒトラー ―最期の12日間―』を観る (小俣和一郎)
・イングリッド・バーグマンの「秋のソナタ」―その晩年に開かれた人生の展開 (林 直樹)
・映画という集団総合芸術の問題点―黒澤明監督の場合 (柏瀬宏隆)
【コラム:こころの病を描いた映画】(高橋祥友)
・統合失調症・解体型「シャイン」
・統合失調症・妄想型「ビューティフルマインド」
・躁うつ病「こころのままに」
・アルコール依存症「男が女を愛する時」
・強迫性障害「恋愛小説家」
・パニック障害「アナライズ・ミー」
・心気症「ハンナとその姉妹」
・境界性パーソナリティ障害「十七歳のカルテ」
・自己愛性パーソナリティ障害「サンセット大通り」
・認知症「電話で抱きしめて」
・解離性遁走「パリ、テキサス」
・自閉症「レインマン」