出版社内容情報
ポスト近代へ向けて激しく揺れ動く世界の中で、輸入学問を越えた、人間という現象の新たな本質に
迫る心理学が求められている。それは私たちが生きる足下の現実との深い実践的な関わりからこそ
生み出されるだろう。
本号は現実に立ち向かい自ら試行/思考する心理学者たちの姿を提示する。
【目次】
■座談会/現実への関わりから再生する心理学 (高木光太郎/山口真美/伊藤哲司/山本 登志哉)
■心理学的手法を用いて現実へ
・安全・便利・快適さに立ち向かう心理学 (渡邊 洋)
・視覚発達障害とよりそう心理学 (山口真美)
・交通事故という現実に立ち向かう心理学―ISAにより凶器的速度行動の制御 (谷口俊治)
・マインド・コントロールとテロの現実に立ち向かう心理学(西田公昭)
■「心の問題」という現実へ
・いじめという現実へ向かう心理学(戸田有一)
・学校への危機介入システム―子どもたちへの心のケア(藤森和美)
・「子育て不安」に関わる三者の「現実」
―保健センターにおける「子育ち・子育て支援」現場から(瀬々倉玉奈)
・障害児の発達という現実に立ち向かう心理学ー発達保障と心理学(荒木穂積)
・現場から『中国帰国者』の現実を知るということ―ライフヒストリー研究のすすめ(時津倫子)
■共同性という現実へ
・地域再生という現実へ―原風景と地域共同体(呉 宣児)
・地域環境問題という現実へ向かう心理学(杉浦淳吉)
・民族対立という現実へ―ビジュアル・エスノグラフィーを用いた偏見緩和の試み(伊藤哲司)
・紛争とテロという現実のなかへ―武装紛争解決のための心理学(伊藤武彦)
・文化間対立という現実へ―構造的ディスコミュニケーション分析(山本登志哉)
■現実から新しい理論展開へ
・教育行政という現実へ (無藤 隆)
・外国人児童生徒教育という現実へ―「アクチュアルな問題」としての多様性をめぐって(高木光太郎)
・冤罪という現実につきあうなかで見えてくるもの(浜田寿美男)
・融合に立ち向かう心理学―学融、セク融、国融と心理学
―モード論・人社プロ・社会技術研究・お小遣い研究チーム・アブダクション(サトウタツヤ)