出版社内容情報
「有識」とは、宮廷の儀式や公事の礼法に関する知識に通じることを指し、宮廷風を
表す。有識文様はおもに公家の束帯や直衣や女官装束に用いられる服飾文様を
指し、平安時代の王朝貴族たちが美意識を発揮して工夫した日本独自の優雅な
デザインであり、特殊な宮廷礼法のなかで社会的な意味をも持つ。
本号では宮廷礼法において用いられた服飾調度類の意匠を採り上げ、祭祀系・
朝賀系・公事系に分類した。束帯の袍や表袴、裂にみられる鳥獣文様・植物文様・
幾何文様などの服飾文様や、絵画や工芸品などに表れた意匠も紹介。多彩で
変化に富んだ有識文様を歴史的に解説し、その本質に迫る。
【主要目次】
■はじめに
■祭祀系
■朝賀系
■公事系
■おわりに
・参考文献
・図版目録
■付録
有識の足跡