出版社内容情報
公家は文化・実務両面ともにわが国を主導してきた。小野道風・藤原佐理・藤原行成の
三蹟に代表される宮廷の能書家たちは、三十六人歌集をはじめとする華麗で繊細な歌集・
絵巻の艶やかな世界を作り上げる。また、今日まで連なる文書・記録の源流となり、
その体系化や普及へ寄与したのも彼らであった。藤原道長などの高貴な公家も執筆した
日記は、日常の書風をよく伝えるものである。公家の書が書道史上にどのように位置付け
られるかを考え、その果たした役割を探る。
【主要目次】
・はじめに
・公家の書の系譜
・世尊寺家の書
・和歌懐紙
・公家の日記
・むすび
・参考文献
・図版目録
・特別寄稿
大覚寺蔵の公家書状―近世初期を中心に― (川嶋將生)