佛教大学研究叢書
OD中国五代国家論 (OD版)

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  • サイズ A5判/ページ数 339,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784784270194

出版社内容情報

 中国史において五代十国時代は、一般に分裂・混乱期とされてきた。しかし本当に単なる無秩序・不条理の時代であったのか。各国間の均衡を保つ、何らかの秩序が存在していたとは考えられないか。
 本書は、当該期に働く国際的な秩序構造に目をむける。第一部「天下のうち」篇では「平王」などの爵位や藩鎮制、国書の検討から「中国」―諸国間の支配関係を考察し、第二部「天下のそと」篇では中国の権力構造に含み込まれつつも、海上に新たな国際秩序をつくろうとした呉越国に焦点をあてて論じる。
 既成の史観をはなれ、五代十国時代における「国家」の構造を明らかにする意欲作。(初版2010年)

序 論 五代政治史研究の成果と課題
 第一節 五代史の語られ方
 第二節 五代十国政治史研究の成果
 第三節 五代十国史研究の課題―天下論を参考に―
第四節 本論の構成

第一部 天下のうち篇

第一章 五代の「中国」と平王
 第一節 平王の位階
 第二節 平王と国王の相違―「中国」内外を分ける指標―
 第三節 五代の「中国」

第二章 五代「中国」の道制 ―後唐朝を中心に―
 第一節 五代「中国」における道と州の状況
 第二節 藩道―属州命令系統
 第三節 五代「中国」における地方財政

第三章 呉越国王と「真王」概念―五代天下の形成、其の一―
 第一節 「真王」の観念的側面―呉越国王冊命文を手がかりに―
 第二節 「真王」の実体的側面
 第三節 五代天下の素描、其の一

第四章 五代における「中国」と諸国の関係―五代天下の形成、其の二―
 第一節 国書のやりとり ―「中国」と諸国の関係―
 第二節 進奉と貢献
 小 結 五代天下の素描、其の二

第二部 天下のそと篇

第五章 九世紀における東アジア海域と海商―徐公直と徐公祐―
 第一節 義空書函群の分析
 第二節 大宰府鴻臚館と海商
 第三節 両浙地域と海商
 第四節 東アジア海域と浙東地域

第六章 唐末杭州における都市勢力の形成と地域編成
 第一節 杭州初期勢力とその立地
 第二節 杭州勢力の結合形態
 第三節 浙東への進出

第七章 未完の海上国家―呉越国の試み―
 第一節 呉越国の海上交通国
 第二節 呉越国の政策
 第三節 九世紀東・南シナ海交易圏

第八章 港湾都市、杭州―五代における都市、地域、海域―
 第一節 運河都市から港湾都市へ
 第二節 呉越国杭州城の港湾施設
 第三節 呉越国の寺院建立
 第四節 海域に組み込まれた杭州

結論 五代天下のうちとそとの形成
 第一節 五代天下秩序の形成
 第二節 五代天下秩序の意義―地域経済の発達を中心に―

 あとがき
 索引
 梗概(中文)

山崎 覚士[ヤマザキ サトシ]
1973年大阪府生.大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学.博士(文学).
現在、佛教大学歴史学部教授.〔主要論文〕「宋代両浙地域における市舶司行政」(『東洋史研究』69巻1号,2010年6月). 「天聖令中の田令と均田制の間」(『唐代史研究』11号,2008年8月)「貿易と都市―宋代市舶司と明州―」(『東方学』116輯,2008年7月)