内容説明
日本本国と植民地台湾・朝鮮、「満洲」で形成された帝国の知は、西欧の知といかなる連環性をもっていたのか。知識人による欧米の新思想の受容と利用、植民地大学での学知生産と現地社会との関係、そして解放後の知の再編などの、ひとつひとつの事例を追っていくことで、西欧の知と帝国の知の交錯、そして西欧の知を淵源とする日本人と被支配民族の知の対抗/協調/変奏関係を読みとく。多様な専門をもつ一八人の論者が、それぞれの視点から帝国日本の知の歴史とその世界史的意義を考えた国際日本文化研究センター共同研究の成果。
目次
第1部 研究の現状と本書の梗概
第2部 日本本国における知の形成と植民地
第3部 科学と帝国主義
第4部 植民地医学の形成と展開
第5部 植民地大学における知の生産
第6部 植民地現地の知と被支配民族
著者等紹介
松田利彦[マツダトシヒコ]
京都大学大学院文学研究科現代史学専攻後期博士課程単位取得修了、博士(文学)。国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授
陳〓湲[ジンジョンウォン]
東京大学大学院人文社会研究科博士課程修了、博士(文学)。(台湾)中央研究院台湾史研究所副研究員
やまだあつし[ヤマダアツシ]
大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位修得退学、文学修士。名古屋市立大学大学院人間文化研究科教授
通堂あゆみ[ツウドウアユミ]
東京大学大学院人文社会系研究科韓国朝鮮文化研究専攻博士課程修了、博士(文学)。武蔵高等学校中学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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