内容説明
日本と欧州、ユーラシアの東西に遺された古文書の比較研究から、発給者の意思形成にかかわる儀礼や象徴の在り方はどのように読み解けるのか。それぞれの国の研究者が集い、古代・中世における皇帝・国王文書から社会構造の変容をあとづけることを試みた国際シンポジウムの成果論集。彼我の古文書学のさまざまな限定性や観点を知ることで、支配や行政の手段といった基本的問題への新たな議論を提起する。巻頭16頁におよぶカラー口絵には、日本・ドイツ・フランスに伝存する貴重な古文書を掲載した。
目次
第1部 文書の機能と場(日本古代の文書と口頭伝達―政務処理と通知(下命)の両面における
カロリング期における文書発給者と受領者
中世の天皇文書と儀礼
ペトルス・デ・ヴィネアの名を冠した手本集成―13世紀の文書雛形集と中世後期の国家理念にとっての意義)
第2部 文書テクストへのまなざし(オットー朝期の君主文書における発給者と受領者の関係;日本古代における私信の系譜とその展開;天皇の署名文書と花押について;オットー朝・ザーリアー朝の君主文書における図像的象徴)
第3部 国際シンポジウム「儀礼・象徴・意思決定」をめぐって(二つの「中世」における「ウルクンデ/シャルト」vs「文書」―その概念的対置およびシンボル形式的比較によせて;古代・中世文書資料の日欧比較)
著者等紹介
河内祥輔[コウチショウスケ]
1943年生。法政大学文学部元教授・北海道大学名誉教授
小口雅史[オグチマサシ]
1956年生。法政大学文学部教授
メルジオヴスキ,マーク[メルジオヴスキ,マーク] [Mersiowsky,Mark]
1963年生。Universit¨at Stuttgart(シュトゥットガルト大学)教授
ヴィダー,エレン[ヴィダー,エレン] [Widder,Ellen]
1955年生。Eberhard Karls Universit¨at T¨ubingen(テュービンゲン大学)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
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