庭と建築の煎茶文化―近代数寄空間をよみとく

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  • サイズ A5判/ページ数 352p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784784219445
  • NDC分類 791
  • Cコード C3070

出版社内容情報

煎茶の流行、茶の湯(抹茶)の復興―
近代茶道界はまさに煎茶・抹茶がせめぎ合い、そして融合する時代であった。

それゆえ、煎茶に興じた数寄者たちの好みや背後にある煎茶文化をふまえなければ近代数寄空間(庭・建築)は理解できない。大正以降、茶の湯の流行とともに煎茶文化そのものは陰に隠れても、庭・建築に取り入れられた煎茶的な趣向は、茶の湯の世界と融合し、新たな近代数寄空間を形成していったからである。

これまで茶の湯の視座からのみ語られてきた近代数寄空間を煎茶的要素からよみとき、新たな解釈を提示する。

煎茶文化の統合―序にかえて(熊倉功夫)

?近代数寄空間と煎茶趣味
近代庭園の空間的特質と煎茶(尼?博正)
煎茶の場と環境(矢ヶ崎善太郎)
煎茶席の意匠的特質(麓和善)

【コラム1】植治と箒庵と有朋(尼?博正)
【コラム2】小川可進―初代後楽(六世 小川後楽)


?煎茶流行の時代
煎茶文化(六世 小川後楽)
補論 煎茶の庭―その希求する源的世界―(六世
小川後楽)
文人煎茶の庭(霊鷲照石)
煎茶席と近代和風住宅(麓和善)
近代数寄者の煎茶と文人趣味(矢ヶ崎善太郎)
明治のニッポンにて、外国人がであった「cha no yu」と庭園(武藤夕佳里)

【コラム3】山紫水明処(頼純子)
【コラム4】甦る煎茶席―草野家・中津万象園(七世 小川後楽)


?煎茶趣味の広がり
煎茶席の歴史的・地域的特質(麓和善)
各地の煎茶文化―その伝播の要因および経路(六世 小川後楽)
煎茶文化の伝播と普及(矢ヶ崎善太郎)

【コラム5】渉成園の四方の門―西門から入園した頼山陽(加藤友規)


特論 「煎茶」の思想的・政治的景観(六世 小川後楽)
終章 近代数寄空間の特質?煎茶と抹茶の融合(尼?博正)

あとがき(尼?博正)

付録 煎茶的要素を含む数寄空間一覧
索引(人名、庭園・建築名)
執筆者紹介

尼? 博正[アマサキ ヒロマサ]
著・文・その他/編集

麓 和善[フモト カズヨシ]
著・文・その他/編集

矢ヶ崎 善太郎[ヤガサキ ゼンタロウ]
著・文・その他

内容説明

煎茶の流行、茶の湯(抹茶)の復興―、近代茶道界はまさに煎茶・抹茶がせめぎ合い、そして融合する時代であった。それゆえ、煎茶に興じた数寄者たちの好みや背後にある煎茶文化をふまえなければ近代数寄空間(庭・建築)は理解できない。大正以降、茶の湯の流行とともに煎茶文化そのものは陰に隠れても、庭・建築に取り入れられた煎茶的な趣向は、茶の湯の世界と融合し、新たな近代数寄空間を形成していったからである。これまで茶の湯の視座からのみ語られてきた近代数寄空間を煎茶的要素からよみとき、新たな解釈を提示する。

目次

第1部 近代数寄空間と煎茶趣味(近代庭園の空間的特質と煎茶;煎茶の場と環境;煎茶席の意匠的特質)
第2部 煎茶流行の時代(煎茶文化;文人煎茶の庭;煎茶席と近代和風住宅 ほか)
第3部 煎茶趣味の広がり(煎茶席の歴史的・地域的特質;各地の煎茶文化―その伝播の要因および経路;煎茶文化の伝播と普及)
近代数寄空間の特質―煎茶と抹茶の融合

著者等紹介

尼崎博正[アマサキヒロマサ]
1946年生。京都大学農学部卒業。農学博士。京都造形芸術大学教授

麓和善[フモトカズヨシ]
1956年生。名古屋工業大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。工学博士。名古屋工業大学大学院社会工学専攻教授

矢ヶ崎善太郎[ヤガサキゼンタロウ]
1958年生。京都工芸繊維大学大学院工芸学研究科建築学専攻修士課程修了。博士(学術)。京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ムカルナス

8
江戸後期から昭和初期まで流行した煎茶文化は幕府公認になった茶の湯(抹茶)に対して、反権力の精神を持ちつつ、老荘思想、道教に代表される無為自然な中国文人の生き方への憧れがあったと言う。それが中国趣味を取り入れた建築や自然や清らかな流れを愛でる庭へと繋がる。これまで煎茶文化の影響という説明はほとんど聞かないが、よく知っている近代和風建築や庭園も数多く紹介されている。昭和初期以降、茶の湯が再興し、忘れ去られた感もある煎茶文化だが、この視点で見ると庭や建築がよく理解できることを発見、とても勉強になった。2023/01/31

chang_ume

8
「入ったとたんに、あっこれは煎茶趣味だ、と強い印象を受ける座敷や庭」(熊倉功夫)を体系化した画期的論集。老荘思想を背景に大自然のなかで「茶を煮る」姿勢をよしとする煎茶は、禅宗に影響を受けた抹茶(侘び茶)とは対極的なことがよく分かった。近代和風庭園で見かける開放的な座敷、清流を主軸にした地割について、たとえば無鄰菴を煎茶庭園の忠実な造形化としてデザイン原理を評価してみたい。一方でいかにも煎茶席に見える縮遠亭(渉成園)が史料上では抹茶席として利用の事例など、実態理解は単純にはいかないなとも。非常に面白かった。2022/02/11

アメヲトコ

8
日本の茶室というと抹茶=茶の湯というイメージがありますが、近世から近代にかけて隆盛したもう一つの茶の世界である煎茶文化に焦点を当てた論集。文人趣味と中国風意匠、庭と一体となる空間は茶の湯の空間とはまた異質で、それを「開放的な自然観」と「求心的な自然観」の差異とする見解(編者尼﨑氏)にはなるほどと思いました。巻末には現存する煎茶的数寄建築の一覧も写真付きで掲載されていて、色々と訪れてみたくなります。2019/04/08

きさらぎ

6
茶の湯(抹茶)ではなく煎茶から日本文化を読み解こうとする論考集。大名との結びつきが強く明治初期に力を失った茶の湯と、文人や志士たちに愛好され急速に広まった煎茶。論者が複数なので興味ある部分を楽しめばいいのでは。私は売茶翁についてや明治の実業家・文人と煎茶の関わり、明治期の並河靖之と日本を訪れた外国人達の眼差し、茶の湯に比べて煎茶的な開放的な書院のあり方など興味深く読んだ。確かに野にある文人の嗜みとしては抹茶よりも煎茶というイメージ。琴棋書画に茶。茶の湯に比べて肩の凝らない文人たちの楽しみ方が興味深い。2019/02/22

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