内容説明
江戸時代後期の京都医界を主導した小石家の私塾・究理堂。究理堂は小石家代々によって継承され、やがて医学教育の重要なセンターとして広く知られるとともに、医界にとどまらない多彩な知識人との交流の舞台となった。本書では小石家究理堂が現在所蔵する貴重な史料のうち、医者・蘭学者による書簡を選んで影印(一部を除きカラー)・翻刻を収録。さらに史料に内在する論点を深めた論考も収め、元俊・元瑞をはじめとした小石家歴代の交友関係と旺盛な学事交流の実態を浮かび上がらせる。
目次
影印篇
翻刻篇(赤沢寛輔;宇田川玄真;宇田川榕菴;大槻玄沢;緒方洪庵 ほか)
論考篇(自由な気風の亀井南冥塾;小石家と漢蘭折衷医学;江戸時代のカテーテル;究理堂にとっての「儒学」;東西学問交流の実像―坪井門と究理堂 ほか)