内容説明
桃太郎は、なぜ桃から生まれてくるのだろうか―その答えは『古事記』のなかにあった。これまで別々のジャンルで扱われてきた「神話」と「伝説」「昔話」について、総合的・学問的に研究する「神話・伝承学」。本書は11の章と7つのコラムにより、魅力ある「神話・伝承学」の世界へいざなう、格好の入門書。
目次
「神話・伝承学」とはなにか
『古事記』、神々の世界を読む
日本神話とシャーマニズム
もうひとつの「古代神話」―沖縄・台湾
神仏習合と中世神話
スサノヲの変貌と「韓国神話」
仏教と神々―八幡神を中心に
妖怪譚―土佐の河童伝承を事例として
神話・伝説・昔話への新しい視点
ギリシア神話を学ぶ
『古事記』はいかに読まれてきたか
著者等紹介
斎藤英喜[サイトウヒデキ]
1955年生。日本大学文学研究科博士課程満期退学。佛教大学歴史学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Oltmk
2
16名の研究者たちによる記紀神話、中世神話・近代神話といった日本神話の各時代の扱われ方、妖怪、ギリシャ神話などの神話学・伝承学の入門書。個人的に印象的だったのは台湾と日本との寺院などの比較や、現代の沖縄で文明に溶け込みながら生きているフサであった。第10章のギリシャ神話の項目は時が進めば、アニメやゲームなどで各地域の神話がどのように扱われるといった研究も進みそうだと個人的に思った。ヤマトタケルの各時代での変貌も、いずれにしろ現代に神話は生き続けているのかと考える。2019/12/02
nata
1
16名の著者が各章とコラムをそれぞれ、神話としての記紀の解説から妖怪譚や昔話のような口承文化、古事記の受容のされ方など様々な視点で執筆している。 巻末に参考文献も挙げられているので、この分野に詳しくない人が、ここから興味を持ったテーマをさらに読み進めていく案内としていいと思う。個人的には中世神話に興味が湧いた。2015/11/16
サチ
0
レポートのために。2018/08/11