内容説明
日本の明治期、中国の清末民国初期における日中演劇界の緊密な連携関係、とりわけ中国の近代演劇の成立に果たした日本の役割について、両国話劇のはしりである文明戯(中国)と新派(日本)の関係を中心に、多数の新史料と具体的な事象(人物の往来、脚本の翻訳、舞台芸術)を通して総合的に論じる。
目次
第1章 日中近代演劇の展開(近代化と演劇改良;新演劇の誕生;新演劇の担い手と享受者)
第2章 新演劇のネットワーク(一)―政治・戦争と演劇の蜜月(新演劇と自由民権運動、日清戦争;文明戯と維新変法、辛亥革命;文明戯と京都―任天知進化団と静間小次郎一派の明治座興行)
第3章 新演劇のネットワーク(二)―日中に咲くメロドラマの花(日中に咲くメロドラマの花;「椿姫」「茶花女」「新茶花」―日中における演劇「椿姫」の上演とその意味;「不如意」と「家庭恩怨記」―そのメロドラマ的性格をめぐって)
第4章 舞台芸術としての新派と文明戯(役者研究―「女形」と「男旦」;劇場研究―近代新式劇場の登場;新演劇の統合機関―東京新派俳優組合、新劇倶進会)
第5章 文明戯と日本の新劇運動―春柳社と民衆戯劇社を中心に(春柳社と新劇;民衆戯劇社の自由劇場運動と日本)
著者等紹介
陳凌虹[チンリョウコウ]
1979年中国雲南省昆明市生まれ。北京日本学研究センター修士課程卒業後、総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了、学術博士。専門は日中近代演劇交流史、比較文学比較文化。現在、華東師範大学専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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