内容説明
わが国の学問は和・漢・洋に著しく偏しているが、美術史学も同様である。従って世界美術史を体系的に扱った書物はなく、世界美術全集も和・漢・洋に片寄っている。また、農耕民の美術が主であって、牧畜民や狩猟民の美術は従属的に取り扱われ、絵画や彫刻にくらべて工芸などの生活美術が軽視されている。このような偏向を修正したのが本巻である。
目次
ラスコーの洞窟壁画「馬」
ヴィレンドルフの「女性裸像」
ビョーラの岩面刻画「トナカイ」
レミヒアの岩壁画「ヤギの狩猟」
オビリ・ロックの岩壁画「精霊ミミ」
ツォディロ・ヒルの岩壁画「エランド、ジラフ、手形」
ペルナの岩壁画「男女群像」
稲荷山貝塚の「筒形土偶」
オゴウェ川流域の「仮面」
チャタル・ヒュユクの「裸婦坐像」〔ほか〕
著者等紹介
木村重信[キムラシゲノブ]
1925年京都府城陽市生まれ。1949年京都大学文学部哲学科卒業。1953年京都市立美術大学講師、1958年同大学助教授、1969年京都市立芸術大学美術学部教授を経て1974年大阪大学文学部教授。1989年大阪大学定年退職後、大阪府顧問、1992年国立国際美術館館長。この間、1956~7年にソルボンヌ大学民族学研究所に留学したほか、世界全域で多くのフィールドワークをおこなう。毎日出版文化賞(1966年「カラハリ砂漠」)大阪文化賞(1991年)勲三等旭日中綬章(1998年)京都市文化功労者(1999年)兵庫県文化賞(2001年)など受賞。現在、兵庫県立美術館館長・大阪大学名誉教授・京都市立芸術大学名誉教授・民族芸術学会会長・文学博士。専攻は民族芸術学・近代美術史
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