内容説明
世間の辛酸をなめた人間はしぶとくて強くて、簡単には負けないものだ―弱いものへの優しいまなざし、熱望した自分の家庭、権力に対する反発、貧乏な暮らし、信仰心。卓越した皮肉とユーモアが織り成す一茶の世界ここにあり。
目次
一月 我門は昼過からが元日ぞ
二月 霜の夜や横丁曲る迷子鉦
三月 我庵や貧乏がくしの雪とける
四月 春雨や祇園清水東福寺
五月 春雨や御殿女中の買ぐらひ
六月 涼風はどこの余りかせどの不二
七月 卯の花の垣根に犬の産屋哉
八月 あまり花人の墓へも参りけり
九月 秋立や峰の小雀の門なるゝ
十月 二番寝や心でおがむ小夜ぎぬた
十一月 鶏頭に卅棒のあられ哉
十二月 ひつぢ田や青みにうつる薄氷
著者等紹介
矢羽勝幸[ヤバカツユキ]
1945年長野県東御市西海野生まれ。国学院大学文学部卒。二松学舎大学教授を経て、同大客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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