内容説明
今から半世紀以上前に起きた強盗殺人放火事件。無実の弟が逮捕され、闘い続けてきた姉・袴田ひで子さんの物語。
目次
第1章 日が出る子―1933(昭和8)年~1965(昭和40)年
第2章 突然の災難―1966(昭和41)年~1967(昭和42)年
第3章 心も体もボロボロ―1968(昭和43)年~1980(昭和55)年
第4章 47年ぶりに春が来た―1981(昭和56)年~2014(平成26)年
第5章 うれしくて笑いっぱなし―2014(平成26)年~2019(令和元)年
袴田事件とは
熊本元裁判官を見舞う
ローマ教皇来日ミサへ招待される
デコちゃんアルバム
特別寄稿(衆議院議員鈴木貴子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J D
68
たまたま図書館で手にした本。詳しく知らなずに、表層だけ知っていただけで知った気になっていた。冤罪はあってはならない。ただ、今の日本ではほぼあり得ないと考えていた。でも、ここにあった。死刑判決を覆す重み、感じた。考え込んでしまった。袴田さんの人生は取り戻せない。誰の思惑で死刑が確定したかは分からないが、司法にかかわる人間もそれ相応の覚悟が必要。袴田さんの人生はもう取り戻せない。2025/06/01
小鈴
20
袴田巌の物語ではなく、姉のひで子の物語。浜松市出身だったんですね。この本を読むことは袴田事件を知ることになるわけですが、 当時の杜撰な捜査が浮き彫りに。死刑判決後は拘禁反応でおかしくなり何年も会えない。会えても数分しか話をしないとか。その繰り返しなのに年に何度も足を運ぶ。でこちゃんが明るいので救われるが、相当苦しかったと推察します。また、ここまで弟の面倒をみるのは時代を感じたりもする。今の時代だとさっさと家族を切り捨てそうですよね。。。弟をそこまで信じきれるかどうか。。。袴田家の家族愛を感じました。2020/07/28
littlesnow
8
袴田事件の概要とお姉さんの日出子さんのことは知っていたけど、逮捕当時から現在までがよくわかりました。 弟を信じて支援する日出子さん。 私は弟が冤罪で逮捕されたら同じようにできるか、と思った。 マンガだから読みやすい。 袴田事件を知らない人にぜひ読んでほしい。 それにしても、警察の捏造の証拠は絶対に許せない!!2020/10/25
寿児郎
7
ひで子さんの特異なキャラクターはすでに語り草になっていて、多くの人を惹き付けている。10年くらい前、一度軽く立ち話をしたことがあるが、壇上で話しているときと同じように非常にバイタリティ溢れる方だった。 「自分を奮い立たせている」というより、「半世紀にも亘る苦しみの歴史がこのキャラクターを形成した」という方が相応しいと思う。事実、2004年の記者会見を見ると、今のひで子さんからは想像できないほど憔悴して肩を落とした様子が見られる。 この漫画は、そんなひで子さんの辛酸に満ちた人生の一部を、垣間見させてくれる。2024/12/03
Ayana
7
袴田巌さんのお姉さん、ひで子さん。無実でありながら死刑囚となった弟の自由を取り戻すために、半世紀以上闘ってきて、2023年ようやく再審開始となりました。その過程がどれほどの苦しみであったか想像もつかないが、「巌のことは私の運命だと思っている」と話すひで子さんのことを心の底から尊敬します。冤罪が司法・メディア・社会によってどう作られていったのか。袴田事件の最適な入門書です。この国の未熟さを恥ずかしく思います。2023/04/07
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