内容説明
戦国大名・今川義元の「人質」だった家康は、いかにして天下取りを果たしたのか。そして織田信長との同盟時代や、豊臣秀吉の臣下に組み込まれていた苦難の時代を、どのようにして乗り越えていったのか。大河ドラマの時代考証を手掛ける著者が、最新の研究成果を取り入れつつ、新たな家康像を描き出す。
目次
第1部 駿府・浜松時代の前半生(強豪織田と今川の狭間で揺れる三河武士;信長と同盟、今川・武田氏を撃破;第3章 天下人秀吉と実力者家康の虚々実々)
第2部 大御所への道(関ヶ原の戦いの謎;ドキュメント・関ヶ原;関ヶ原の舞台裏;駿府大御所時代;名古屋城を築く;東西の手切れ、冬の陣・夏の陣)
第3部 徳川家臣団の検証(膨張し続けた徳川軍団;四天王の実像;家康ゆかりの静岡の名城)
著者等紹介
小和田哲男[オワダテツオ]
1944年、静岡市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、静岡大学名誉教授、文学博士、公益財団法人日本城郭協会理事長。専門は日本中世史、特に戦国時代史。NHK大河ドラマ『秀吉』『功名が辻』『天地人』『江~姫たちの戦国~』『軍師官兵衛』『おんな城主直虎』『麒麟がくる』『どうする家康』の時代考証を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アーサー
8
再読◆この本ならではの主張は、家康が居城を浜松から駿府に移したことを「積極的に退いた」と解釈するという点(一般的な説は、秀吉との対決を避けるため)。五カ国、とくに甲斐を掌握するために甲斐に近い駿府に移転した。拡大した領土の最先端の近くに城を移すのは、信長の常套手段。それを家康は踏襲した◆他の家康本と比較していないので、上の主張がどの程度ユニークなのかはわからない◆家康は、逆境をプラスに捉える発想ができて、さらにバランス感覚に優れた人だなと思った。あと、情報収集にも長けている。2023/03/24
アーサー
7
通読◆2022年発行。本書は、発表済みの記事を再構成・加筆したもの。著者は大河ドラマ『どうする家康』の時代考証担当者◆新しい研究結果にも目を向け、真実の家康像を描き出す◆家康最大の功績は、戦国争乱に終止符を打ったことという。関ヶ原の戦いと大坂夏の陣が家康がらみの戦いだったことによる。「一国一城令」、「武家諸法度」により戦さのない時代に移行する法制化をすすめる。これらは秀忠の名で出されているが、実質的には家康の主導だった。そしてその後260年間の平和をもたらす◆三分の一は関ヶ原の戦い。図表は少なめ。2023/03/09
Abercrombie
2
大河ドラマ『どうする家康』の時代考証担当者が、今までに書いていた家康に関する文章をまとめたもの。わかりやすいが、繰り返しが多く、内容も簡略すぎ。歴史観もいささか古びている。2024/01/13
はる
1
以前に書かれたものを再構成などしています。けっこうわかりやすく読みやすい。2023/04/10
Ryuji Saito
0
2023年45冊目。2023/07/16