内容説明
本書では、江戸時代の東海道交通に関しての執筆が中心であるが、その前後の時代についても目配りをする。そこでまず最初に江戸時代の宿駅制度の源流を探り、それが江戸時代にどのような形で継承されたのか、また江戸時代の東海道筋における交通施設や自然環境についても概観する。次いで宿駅制度のハード面を理解するために、一般的な宿場の機構や人馬による継立方法、あるいは宿財政について言及した上で、具体的に各宿場の特徴を紹介する。交通のソフト面としては、江戸時代の各階層の旅に視点を当てたり、東海道筋で生活するさまざまな人々を取り上げる。そして最後に、宿駅制度の崩壊過程とそれに代わる近代交通について展望する。
目次
宿駅制度の源流と五十三次
宿場の任務と機構
東海道の宿場
東海道を旅した人々
宿場町と街道筋の生態
宿駅制度の崩壊