内容説明
「天下一名人の座を他家には譲らぬ」一門の浮沈を賭けて好敵手らと死闘。江戸末期、伊豆出身の2人の軌跡を追う。
目次
第1部 本因坊丈和(奔放に生きた少年時代;デビュー戦;頭角を現す;本因坊家跡目 ほか)
第2部 本因坊秀和(生い立ちと修業時代;星打ちの新布石;井上因碩に挑戦;十五日間の激闘 ほか)
著者等紹介
永岡治[ナガオカオサム]
1930年(昭和5年)、伊豆市八木沢で生まれる。静岡大学教育学部臨時養成科修了。伊豆各地の公立小学校に33年間勤務。1982年(昭和57年)退職。以後文筆業。現在伊豆市文化財保護審議委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
48
丈和は碁も豪腕だが、水戸藩や老中まで動かして名人碁所の位を手に入れる生き方も強烈だ。一方、井上家の幻庵も負けじと弟子の赤星因徹に打倒丈和を託す。因徹は名人相手に中盤まで優位を築くが、丈和の放った妙手に苦しんだすえ吐血し、数日後に亡くなってしまう。それでも碁所を狙う幻庵は、本因坊家の跡目・秀和に家の浮沈を賭けた決戦を挑む。この争い碁は双方共に意地でも負けられない大勝負だったが、今度は幻庵自ら吐血して敗れる。その後両者は二度対戦し、すでに引退した丈和を唸らせるほどの芸を披露した。昔の碁は命がけだけど美しいな。2017/01/21