内容説明
第62回現代詩手帖賞を受賞した詩人によるデビュー作。
著者等紹介
花氷[ハナカ]
1979年生まれ。東京都出身。野田秀樹に師事し、俳優として活動。NODA・MAP等に出演(大石貴也名義)。2024年、第62回現代詩手帖賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わいほす(noririn_papa)
3
自分のパリ旅行の思い出と重なるタイトルに衝動買い。表題作は渋谷のバスで帰宅する冬の夜、詩人の眼に見えるもの、色、人物が次々と言葉になり、パリの思い出、役者(大石貴也)として野田秀樹のパリ公演に参加した時の高揚した夜の景色がまた言葉として流れ込む。光と風のように。そして東京の孤独に聴こえてくるパリのシャンソニエの歌声。著者の詩は文字の配置から始まり、唐突に舞台転換をしながら意識的に、無意識的に言葉が紡がれる。背景の何もない舞台で役者がセリフと動きで情景を現すアングラ劇を見ているかのような劇場ポエム。2025/04/23